若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第10回目「coloc」です。
「coloc」とは?
「coloc」は「colocataire」の略で、「ルームメイト」や「シェアメイト」のことです。
発音するときは、語尾の「c」も発音します。
そもそも「colocataire」という言葉は「locataire(賃借人/借家人)」という単語の前に「一緒に」「ともに」という意味の接頭辞「co」がついた形です。
つまり「colocataire」とは「共同賃借人」という意味です。
なので1部屋を共同で使えば「ルームメイト」、シェアハウスなどで各自が1部屋ずつ使うならお互いが「シェアメイト」になるということです。
1つ屋根の下に他人同士が住むのは、日本で古くから一般的だったのは「下宿」という形でした。
フランスでは大家さんは一緒に住まず、「colocataire(共同賃借人)」が何人か共同で暮らす形なのです。
そのため、「coloc」という略語もずいぶん前から定着しています。
「coloc」の使用例
「coloc」は例えば、
「Mon coloc est super sympa, on s’entend bien.(ルームメイトはすごくいい人で、私たちはとても仲良くやっている)」
のように使います。
元の単語「colocataire」が男性名詞なので、「coloc」も男性名詞として扱われます。
ちなみに、このフレーズにある「sympa」も、「sympatique」という形容詞の略語で、(人や態度などが)「感じのよい」「好ましい」といった意味です。
「Mon coloc est super sympa」という言い方は、「coloc」「sympa」という2つの略語に加え、「super(すごく)」という若い人が使いやすい単語も入っています。
なので確かに若い人が口にすることが多いのですが、どの単語もとてもよく知られているので、ある程度年配の人であっても使う表現です。
「T2」「T3」とは?
ところで、フランスの不動産情報などを見ていると、集合住宅か一軒家かに関わらず、「T2」「T3」または「F2」「F3」などのような表記を見かけます。
この場合のTは「type(タイプ)」の略、Fは「fonction(機能)」の略です。
どちらかと言うと「T2」「T3」という表記が多いです。
数字は部屋数を表しますが、リビングルームや独立したダイニングルームも部屋数としてカウントします。
なお、この部屋数にはキッチン・バスルーム・トイレなどはカウントしません。
つまり
T3 / F3:
リビングルーム1つ + 寝室2つ = 合計3部屋
T4 / F4(独立したダイニングルームがある場合):
リビングルーム1つ + ダイニングルーム1つ + 寝室2つ = 合計4部屋
といった具合です。
「T1」とは?
この決まりに従うと、「T1」や「F1」はワンルームだと思われるかもしれませんね?
でも「T1」「F1」とワンルームは、似て非なるものです。
フランス語でワンルームマンションは「studio」と言いますが、明確な違いがあります。
まず、「studio(ワンルーム)」だと部屋が1つで、同じ空間の中にキッチンが配置されています。
「T1」や「F1」も部屋数は1つですが、キッチンは完全に独立しているか、または仕切られた場所にあります。
この違いは賃貸料に影響します。
例え総面積が同じでも、「studio(ワンルーム)」よりも「T1」「F1」の方が若干高いのが普通です。
フランスでお部屋を借りるなら、ご参考まで!
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