ありがたいシステム
生きている限り、誰でもお世話になるのが医療機関ですが、フランスのシステムはありがたいと思っています。
実際に暮らす中で感じていることや、経験したことなどを、お金のことを含めてご紹介します。
ほぼ全員が加入している制度
おととい(2025年4月2日)配信の【フランス語のフレーズ】日常会話で使う略語㉗sécuで「sécurité sociale(社会保障制度)」をご紹介しました。
この中で触れている通り、「sécurité sociale」というのは、フランスに住んでいる人は、基本的に全員が加入している制度です。
この「sécurité sociale」には年金・家族手当・失業手当なども含まれるのですが、今回は日本の国民保険や社会保険に相当する、医療関連に絞って取り上げます。
フランスの健康保険
「sécurité sociale」は、原則として医療費の70%程度が払い戻されるので、日本の国保や社保と同レベルとも言えます。
ただし医療費の100%払い戻しが認められることも、けっこう多いと感じています。
そして70%程度のカバー率であっても、大抵の人は「mutuelle」と呼ばれる民間保険に入っているので、残りの30%程度も払い戻されることがほとんどです。
「mutuelle(民間保険)」に関しては、会社勤めの人は会社で加入していることが多く、その場合は保険料が会社と折半されるうえ、同居家族もカバーされて、かなりお得です。
自由業なら自分で加入する必要がありますが、保険料は経費扱いになります。
お金のかからない範囲とは?
なお、「sécurité sociale(社会保障制度)」プラス「mutuelle(民間保険)」で、診察料・薬・入院費などはほぼ無料も同然なのですが、それだけではありません。
基本的な歯科治療、メガネや補聴器なども、ぜいたくをしない限りはお金がかからないのです。
もちろん、高価な材料を使った治療や、ブランド物のメガネ、ノイズキャンセル機能がついた補聴器といったものは保険の適用外ではあるものの、お金のかからない範囲での治療や矯正を受けることができます。
「もしも」は無用
こういったシステムがあることで、漠然とした健康不安がかなり軽減されているように思います。
もしもの時のために備える必要が、あまりないのです。
入院することになっても、食費を別途請求されることなどもないので、「大きな病気やけがをしたらどうしよう」と考えることはありません。
特別な医療施設
ちなみに、「sécurité sociale(社会保障制度)」はほぼすべてのフランス在住者が加入していますが、必ずしも全員というわけではありません。
そして「mutuelle(民間保険)」に関しては、さらに加入率が下がります。
フランスに来たばかりの移民などは、加入できていない場合があるからです。
でもそうした人たちを対象に、特別な医療施設が設けられています。
小規模であることが多いと思いますが、誰でも無料で診察を受けられるのです。
「médecin généraliste」もしくは単に「généraliste」と呼ばれる、専門を問わずに病気やけがを診てくれる医師は常駐していて、一部の専門医は曜日を決めて来ていることが多いようです。
実は私自身もフランスに来たばかりの頃に、こうした医療施設のお世話になりました。
申請は済ませていたものの、滞在許可証もなかったので、まだ「sécurité sociale(社会保障制度)」に加入できていなかったのです。
おまけにフランス語がほぼ話せなかったにもかかわらず、とても親切にしていただいた記憶があります。
まだ滞在許可証もない外国人なのに、病気になっても我慢しなくていいんだな、いい所に来たんだな、としみじみ思ったものです。
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