「Je t’aime.」以外の愛情表現
フランス語の愛情表現「Je t’aime.」は本当に有名ですが、他にもけっこうあります。
今回はその7つ目、「Mon amour」と「Mon cœur」をご紹介します。
短くてとてもシンプルですが、他にもいろいろなバージョンがあります。
「Mon amour/cœur」
「mon」は1人称単数の所有形容詞で「わたしの」、「amour」は「愛」「愛情」などの意味の男性名詞、「cœur」は「心」「心臓」などの意味の男性名詞です。
なので、直訳すると「Mon amour」は「わたしの愛しい人」、「Mon cœur」は「わたしの心」という意味です。
ちなみに、「amour(愛)」と「cœur(心)」は両方とも男性名詞なので、「わたしの」を意味する部分が「mon」ですが、後ろに女性名詞が来るなら、「ma(わたしの)」になります。
どんな人がどんな場面で?
映画などで「Mon amour」や「Mon cœur」を聞いたことはありますか?
人によってかなり頻度は違いますが、フランス人はあらゆる場面で「Mon amour」「Mon cœur」などと言います。
恋人同士や夫婦間はもちろん、親が子どもに言うことも、本当によくあります。
日本人なら家庭の中で「お父さん(パパ)」「お母さん(ママ)」などと呼び合う場面で、フランス人は「Mon amour」や「Mon cœur」などで相手を呼んだりします。
いろいろなバージョンも!
そして「Mon amour」「Mon cœur」だけでなく、男性相手には「Mon chéri」、女性相手には「Ma chérie」などがとてもよく使われ、これも「愛しい人」という意味ですが、他にも数えきれないほど、様々なバージョンが存在します。
例えば、
- Mon trésor(宝物)
- Mon ange(天使)
- Mon bijou(宝石)
- Mon bébé(赤ちゃん)
- Ma poule(メンドリ)
- Mon lapin(ウサギ)
- Ma biche(鹿)
- Mon canard(カモ)
- Mon poussin(ヒヨコ)
- Mon chou(キャベツ)
- Ma puce(ノミ)
などです。
宝物や天使・宝石・赤ちゃんまでは許容範囲でも、小動物に加えてキャベツ、果てはノミまで…!
地域によって違いがあるものもありますが、大事なモノ、かわいいと思うものが、対象として選ぶ基準になっているような気がします。
ツワモノの存在!
なお実は、フランス人の親戚に、このすべてを言うツワモノがいます。
しかも1回の通話で、本人は無意識ながら、軽くこれ以上の種類を言うのです。
わたし相手にも言ってくるのですが、子ども相手になると、さらにヒートアップしてしまいます。
向こうから時折電話がかかってくるのですが、うちの子どもたちはその人からの電話が嫌いでした。
うっかり電話を取ってしまうと、
- Bonjour mon bébé, ça va ?
(こんにちは、わたしの赤ちゃん、元気?)
から始まり、何か質問をして子どもが答えると、それに対するあいづちが、
- Ah oui, ma poule !
(ああ、そうね、わたしのメンドリちゃん!)
といった調子です。
これがバージョンを変えながらずっと続くのです。
言われ続けると…?
ようやく電話から解放されると、子どもは「赤ちゃんじゃないし、メンドリでも鹿でもキャベツでもない!」とプリプリ怒ります。
「かわいいと思って言ってくれてるんだから…」と言っても、しばらく怒りは収まりません。
でもその一方で、子どもたち自身が飼っているネコを相手に
- Mon amour !
などと言っています。
わたしと話すときは日本語ですが、ネコが相手だと日本語になったり、フランス語になったりしています。
「あんなに怒っていたのに、自分でも言うんだな!」と、おかしくなってしまいます。
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント