工夫が必須!
日本語の外来語「デザイン」は英語から入った言葉で、「服のデザイン」「椅子のデザイン」「街のデザイン」のように使われます。
こうした言い方は日本語として定着しているので、普段は気にも留めないものですが、日本語の「デザイン」は美しさや機能性に加え、計画性までを含む、かなり広い意味を持った言葉です。
そのため、フランス語で同じことを言おうとすると、ひと言では表せなくなります。
「デザイン」と「design」
前述通り「デザイン」は英語由来の外来語ですが、大元はラテン語、それがフランス語になってから英語に入った言葉です。
ただし現在使われているフランス語の「design」は、20世紀以降に英語から逆輸入されています。
つまり現代フランス語の「design」と日本語の「デザイン」は、共通の親を持つ言葉なのです。
でも残念ながら、「design」には日本語の「デザイン」よりもはるかに限定された意味しかありません。
基本的には「見た目の美しさ」だけを表現する言葉なのです。
フランス語の「design」とは?
例えば「この椅子のデザインが好き」という場合、日本語なら、おしゃれな見た目という意味だけでなく、座り心地などの機能性までもが含まれます。
ですが、フランス語の「design」を使った場合には機能性が含まれることはなく、単なる「おしゃれな見た目」という意味に限定されます。
- J’aime le design de cette chaise.
(この椅子のおしゃれな見た目が好き)
「デザインが好き」のフランス語訳
では、「この椅子のデザインが好き」という、美しさと機能性両方の意味をフランス語で言いたい場合にはどうしたらいいのでしょうか?
美しさは「design」を使いますが、機能性に関しては「設計」「企画」「構想」などの意味を持つ「conception」という単語を使うことになります。
- J’aime à la fois le design et la conception de cette chaise.
(この椅子の見た目と設計の両方が好き)
→ この椅子のデザインが好き
「デザイン」の親戚とは?
ちなみに、大元のラテン語からできた古いフランス語の単語は、現代フランス語の中で別の単語として残っています。
それが動詞の「dessiner(線を引いて描く/形を表す)」と、名詞の「dessin」です。
名詞の「dessin」は外来語の「デッサン」の由来となった言葉ですが、日本語よりもかなり広い意味を持つ言葉です。
詳しくは2025年8月13日の【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語⑩デッサンという配信で扱っていますので、参照してください。
それにしても、「デッサン」と「デザイン」という全く異なる言葉が、同じ語源を持つ親戚同士だったなんて、本当に不思議なものです!
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