156 語順は慣れることで覚えよう! Ensuite ils ne peuvent plus bouger et ils dorment pendant les six mois de leur digestion.

動詞

独特なルールが存在 

フランス語の否定表現は、2語で動詞を挟むものがいくつもあります。 

動詞が1つの単語だけなら、ただ単に挟むだけなのですが、複数になると語順に独特のルールがあります。 

ただしルールを覚えるよりは、慣れてしまう方が使いこなす近道です。 

今回のフレーズなどをそのまま覚えるのもいい方法ですが、そのほかにもできることがありますよ! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ensuite ils ne peuvent plus bouger et ils dorment pendant les six mois de leur digestion.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第1章の始めにあります。 

1枚目の挿絵のすぐ後にある、≪≫の中の2つ目のフレーズです。 

「ensuite ils ne peuvent plus bouger」 

「ensuite」は「それから」「それに続いて」「次に」の意味、「ils」は人称代名詞3人称複数形で「彼ら」「それら」、「ne ~ plus」は否定語で、「もはや~ない」という意味です。 

「peuvent」は動詞「pouvoir」の3人称複数現在の活用形ですが、「pouvoir +(動詞の原形)」の形で、「~することができる」という意味になります。 

動詞の原形部分に当たるのは、このフレーズでは「bouger」で、「動く」「身動きする」などの意味です。 

「et ils dorment pendant les six mois」 

「et」は「そして」、「ils」は人称代名詞3人称複数形で「彼ら」「それら」、「dorment」は動詞「dormir」の3人称複数の活用形で「眠る」という意味です。 

「pendant」は「pendant ~」の形で「~の間に」、「les」は定冠詞複数形、「six」は「(数字の)6」、「mois」は「(~ヶ月などの)月」です。 

「pendant les six mois」で「6ヶ月間」ですね。 

「de leur digestion」 

「de」は補語を導く前置詞で「~の」、「leur」は所有形容詞、3人称複数形で「彼らの」「彼女たちの」「それらの」という意味、「digestion」は女性名詞で「消化」という意味です。 

ここで所有形容詞が3人称複数の「leur」になっているのは、主語が「ils」になっているからです。 

背景を見てみると 

語り手の男性は6歳の頃に読んでいた本で、ボアという種類のヘビがクマのような野獣を、丸ごと飲みこもうとしている絵を見ました。 

そして大人になった現在、男性はこの絵の写しとともに、この本に書いてあったことを説明しています。 

それによると、ボアヘビは獲物をかまずに丸飲みするそうで、これに続く説明が今回のフレーズです。 

ここでの「ils」 

さて背景の詳細を知ると、今回のフレーズの「ils」は、ボアヘビであることが分かります。 

今回のフレーズの「ensuite(そして)」は、ボアヘビが獲物をかまずに丸飲みしたことを受けています。 

大きな獲物を丸飲みしたのですから、ヘビは身動きできず、消化に時間がかかって眠り続けるというのも、納得ですね。 

フランス語の否定語 

ところで冒頭でも触れたとおり、フランス語の否定語には単語を組み合わせるものがいくつもあります。 

今回の「ne ~ plus(もはや~ない)」よりシンプルな否定語である「ne ~ pas(~ない)」も、やはり2語の組み合わせです。 

語順のルール 

そして動詞を見てみると、シンプルな現在形なら「~」の部分に入れるだけですが、今回のように2語、さらには3語以上になると、語順にルールがあります。 

それは今回のフレーズのように、動詞部分の1語目だけを挟むというものなのですが、動詞のつくりがさらに複雑なものもあるので、ルールとして覚えるのはあまり効率がよくありません。 

というのも、実際に使う場面では、語順のルールなどを気にしている余裕はないからです。 

ここはやはり、動詞の新しい時制を覚えたり、複雑なつくりの動詞に出会ったりしたら、つねに否定表現も合わせて把握するクセをつけるのが、正解です。 

練習しておこう! 

ちなみに今回のフレーズの「ils ne peuvent plus bouger(もはや動けない)」の部分ですが、これを言い換えて「もはや動かない」なら、「ils ne bougent plus」になります。 

「pouvoir +(動詞の原形)」で「~することができる」と言っていたところを、普通の現在形に言い換えているので、動詞は1語のみですが、その分「bouger(動く)」を3人称複数の活用形にする必要があります。 

こうした言い換えも一緒に練習しておくと、実際に使う時に役に立ちますよ! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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