151 現在と過去のことを言おう!② Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne.

動詞

繰り返し練習しよう! 

今回のフレーズでも、現在と過去のことが同時に語られています。 

ただし今回は、前回(第150回)のように、わかりやすく覚えやすい形ではありません。 

こうした例に何度も触れることで、すぐに見分けられるようになるので、練習していきましょうね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第0章とも言うべき、献辞部分(「À LÉON WERTH」と書いてあるところ)の6つ目のフレーズです。 

「si toutes ces excuses ne suffisent pas」 

「si」は「もしも」、ここでの「toutes」は形容詞「tout」の女性複数形、「ces」は「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の複数形、「excuses」は「言い訳」「弁解」「口実」などの意味の女性名詞「excuse」の複数形です。 

形容詞「tout」の複数形の意味は「(そこにある複数の)~すべて」なので、「toutes ces excuses」で、「それらすべての言い訳」になります。 

「ne ~ pas」で否定表現、「suffisent」は「(物事が主語)~に足りる」「(人が主語)~を満足させる」を意味する動詞「suffire」の3人称複数の活用形です。 

「je veux bien dédier ce livre à l’enfant」 

「je」は「わたし」、「veux」は「vouloir」の活用形です。 

「vouloir +(動詞の原形)」で、「~することを望む」という意味になります。 

「vouloir」についている動詞の原形「dédier」は「dédier à」の形で、「~に献じる」「~に捧げる」という意味です。 

ここでは、副詞の「bien」がついて強調されています。 

「ce livre」で「この本」です。 

「l’enfant」は、定冠詞「le」の省略形と、「子ども」を意味する男性名詞「enfant」が合わさったものです。 

「qu’a été autrefois cette grande personne」 

「qu’a」は、「que」の省略形と「avoir」の3人称活用形の「a」が合わさったもの、「été」は「être」の過去分詞、「autrefois」は「昔」「以前は」という意味です。 

「cette」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の女性形単数です。 

「grande personne」は「大人」という意味です。 

ここでの「que」は、「qu’a été autrefois cette grande personne」の部分が完結していないため、関係代名詞の働きをしています。 

背景を見てみると 

作者は『星の王子さま』という作品を親友に捧げています。 

作者は子どもたちに謝り、なぜ大人である親友にこの本を捧げるのかという3つの理由を説明しています。 

今回のフレーズは、この3つの理由でも十分でない場合について述べられている部分です。 

今回の現在と過去とは? 

冒頭でも触れたとおり、今回のフレーズにも現在と過去のことが語られています。 

動詞の現在形としては、「suffisent」と「veux dédier」があります。 

過去を表す「avoir +(動詞の過去分詞)」の形は、「a été」の部分です。 

「qu’a」となっているので、これが「avoir」であることを見落とした方もいらっしゃるのではないかと思います。 

ちょっと分かりずらいですよね! 

過去は分かっても… 

そして過去であるということは分かっても、「a été」に引っかかってしまい、「qu’a été autrefois cette grande personne」の部分をどう解釈すればいいのか、わかりにくくはないですか? 

このような場合、まず「avoir」については、「avoir +(動詞の過去分詞)」という形の一部であって、過去を表現する道具だと思い、意味については無視します。 

意味に関しては、「動詞の過去分詞」が重要なので、ここでは「été」の方、つまり原形としては「être」に着目します。 

辞書を引く必要があるなら、「avoir」ではなく「être」をさがすということですね。 

何を調べる?どう考える? 

ではここからは、「être(~である)」の意味が分かったという前提で、その後の考え方を見ていきます。 

「~である」の過去なので、意味としては「~であった」になります。 

そして「autrefois cette grande personne(昔この大人)」という部分があり、「qu’a」を構成している「que」は関係代名詞なので、その直前にある「l’enfant(子ども)」を修飾していると考えます。 

作者が言いたいのはつまり、「かつてはこの大人(親友)がそうであった子どもに、この本を捧げたい」ということですね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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