127 毒ヘビが彼女!? Petit bonhomme, n’est-ce pas que c’est un mauvais rêve cette histoire de serpent et de rendez-vous et d’étoile…

名詞

似て非なる言葉!

今回のフレーズにある「rendez-vous」は、日本語の外来語「ランデブー」の由来となった言葉です。 

最近はほとんど使われなくなった「ランデブー」は、「デート」や「あいびき」という意味なのですが、王子さまの「rendez-vous」の相手は、なんとヘビ。 

「ランデブー(デート)」の認識のままでは王子さまがかわいそうなので、「rendez-vous」の意味をしっかり覚えましょう!  

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Petit bonhomme, n’est-ce pas que c’est un mauvais rêve cette histoire de serpent et de rendez-vous et d’étoile…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第26章の中ほどにあります。 

第26章の1枚目と2枚目の挿絵のほぼ中間にあるフレーズです。語り手の男性のセリフです。 

「petit bonhomme」 

「petit bonhomme」は、男の子に対する親しみを込めた呼びかけ語です。 

「坊や」や「(呼びかける時に使われる)ぼく」に当たります。 

「petit」は形容詞で、「小さい」「幼い」「かわいい」などの意味があります。 

「bonhomme」は男性名詞で、男性への呼びかけに使われる言葉です。 

「n’est-ce pas」 

「n’est-ce pas」は、「c’est」の否定形「ce n’est pas」の倒置形で、否定の疑問文のほか、「~じゃないですよね?」という同意を求める表現として使われます。 

「n’est」は、「ne」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

「que」 

「que」は疑問詞や感嘆詞、関係代名詞や接続詞になるのですが、今回のフレーズでは「?」や「!」がないので、関係代名詞か接続詞になります。 

関係代名詞か接続詞かを見分けるには、「que」の後の部分に小さなフレーズの節を見ます。 

関係代名詞なら、節の中の小さなフレーズに足りないものがあるのですが、接続詞なら、節の中は一つの文章として完結していて、足りないものはありません。 

今回のフレーズでは節の中が完結しているので、この「que」は接続詞です。 

「c’est un mauvais rêve」 

「mauvais rêve」は「悪い夢」「悪夢」です。 

「夢」を意味する「rêve」が男性名詞なので、不定冠詞単数男性形の「un」がつき、「悪い」「よくない」「イヤな」などの意味の「mauvais」も男性形です。 

「mauvais」の女性形は「mauvaise」で、発音が変わります。 

「cette histoire de serpent」 

「cette histoire」は「この話し」「このできごと」です。 

「歴史」「話し」「できごと」などの意味の「histoire」が女性名詞なので、「この」を意味する「ce」が、女性形の「cette」になっています。 

そして「de serpent」で、「ヘビの」と説明されています。 

「et de rendez-vous」 

「et」 は「そして」、「rendez-vous」は「会う約束」「待ち合わせ場所」という意味です。 

「et d’étoile」 

「étoile」は女性名詞で、「星」という意味です。 

背景を見てみると 

王子さまと語り手の男性の、別れの時は近づいています。 

王子さまが言うには、自分が空から落ちてきて、今日がちょうど1年なんだとか。 

王子さまの星がちょうど真上にあるので、今晩帰らなければならないのです。 

でも、王子さまの笑い声を聞いていたい男性は現実を受け止めたくなくて、今回のフレーズになるのです。 

「rendez-vous」と「ランデブー」 

さて、冒頭でも触れたとおり、外来語の「ランデブー」は「デート」という意味なのですが、フランス語の「rendez-vous」は「会う約束」「待ち合わせ場所」という意味です。 

人と人が会う約束であればいいので(王子さまの相手はヘビですが)、例えば歯医者や美容院の予約にも、「rendez-vous」という言葉が使われます。 

そして約束の「日時」だけでなく、約束の「場所」に対しても使う言葉です。 

王子さまとヘビの「rendez-vous」は、「今晩」で「王子さまが1年前に落ちた場所」ということです。 

倒置で強調されているのは? 

ところで今回のフレーズには、「ce n’est pas」の倒置形である「n’est-ce pas」が含まれていますが、この「n’est-ce pas」自体も文末ではなく、実質的には文頭にあります。 

男性にしてみれば、ヘビとのできごとはもちろん、ヘビとの待ち合わせ、さらに王子さまの星さえも、なかったことにしてしまいたい。 

ずっと一緒にいて、絵をねだられたり、描いた絵をバカにされて笑われたり、キツネの話しなんかを聞いていたい。 

だから「n’est-ce pas」、「そうだよね?」をフレーズの始めに持ってきたのではないでしょうか? 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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