一緒に考えよう!
今回の2つのフレーズはとても短いのですが、実は本来あるべき姿ではありません。
もちろん間違いなどではないのですが、ここだけを切り取ると、多少大げさに言えば、違和感があります。
なので、この2つを正式な形にしませんか?
一緒に考えてみましょう!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Sur une autre planète ?」と「Oui.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第21章の前半にあります。
2枚目の挿絵より3行前と2行前のフレーズで、キツネが質問し、王子さまが返事をしています。
「sur」
「sur」は、「~の上に」「~に関して」などの意味です。
「信頼できる」「安全な」「確かな」などを意味する形容詞「sûr」には、「^」がついて異なります。
「une autre planète」
「une」は、不定冠詞の女性・単数です。
後ろに来るのが女性名詞で単数の「planète」なので、「une」が使われています。
「autre」は、「別の」「他の」などを意味します。
性による変化はないのですが、複数形はあって「autres」になります。
「planète」は女性名詞で、「惑星」という意味です。
背景を見てみると
キツネに「縁結び」について教えてもらった王子さまは、自分とバラの花の関係がそれにあたるのではないかと思い、キツネに話します。
キツネは、「相手がバラの花であっても縁結びは可能」という趣旨で、「地球上ではいろいろなことが起こる」と言うのですが、王子さまは「地球上ではないんだ!」と言います。
そこで今回の質問と回答になるのです。
偉大な師匠はどこへ?
王子さまが「地球上ではない」と言ったとたんに好奇心がそそられた様子のキツネ。
それまでの偉大な哲学者風のなりは影をひそめてしまい、王子さまを質問攻めにしてしまいます。
今回のやり取りがその第1弾。
縁結びの話しも、王子さまとバラとの関係性についても中断してしまい、食いつき気味に王子さまの星についてたずねています。
日々の繰り返しに飽きて、楽しみも見つけられないでいる様子のキツネは、王子さまの星に行ってみたくなったのかもしれませんね!
あるべき姿は?
ところで、今回のフレーズには主語と動詞がないことに、お気づきでしたか?
話し言葉なので不自然ではありませんが、やはり本来の姿ではありません。
「Sur une autre planète ?」
では、「Sur une autre planète ?」というフレーズに、本来あるべき主語と動詞は何なのか、考えてみませんか?
…いくつか候補は考えられますが、一番シンプルなのは、「c’est」をつけて「C’est sur une autre planète ?」とすることです。
「Oui.」
そして回答部分の「Oui.」についても、「はい」だけではなく、「はい、そうです」にしてみませんか?
…「はい、そうです」にするなら、こちらも「c’est」を使って、「Oui, c’est ça.」が自然です。
とはいえ、キツネと王子さまがこんな会話をしていたら、とても不自然になってしまいますね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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