日本人泣かせ?
文法的にはかなりシンプルな今回のフレーズですが、日本人にとっては、発音しにくい部分があります。
また、よく知られている「Bonsoir.」も、「こんばんは」だけではない使い方が。
まとめてお伝えしますね。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「C’est d’éteindre mon réverbère.」「Bonsoir.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第14章の中ほどに差しかかったところにあります。
第14章で王子さまは、街灯をつける男に出会います。
今回のフレーズは街灯をつける男のセリフで、王子さまへの回答部分です。
「c’est」
「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。
意味は「これ(それ・あれ)は~です。」
「d’éteindre」
「d’éteindre」は、前置詞の「de」と、動詞の「éteindre」が合わさった形です。
「éteindre」が母音字から始まっているので、このような形になっています。
「éteindre」は動詞の原形で、「(火や明かりなどを)消す」という意味です。
「mon」
「mon」は1人称単数・男性形の所有代名詞です。
意味はは「私の」「僕の」「オレの」です。
単数・女性形は「ma」に、複数は男女とも「mes」になります。
「réverbère」
「réverbère」は男性名詞で、「街灯」を意味します。
「bonsoir」
「bonsoir」は、夕方から夜にかけてのあいさつで、「こんばんは」に当たるのですが、少々注意が必要な場合があります。
後で深掘りします。
背景を見てみると
街灯をつけたり消したりする男は、王子さまからの質問攻めにあいます(王子さまに出会ってしまった人は、全員ですが…)。
今回のフレーズの直前の質問は、「命令って、なに?」でした。
それに対する回答部分が、今回のフレーズです。
質問への答え方
何でも知りたがる王子さまなので、どこへ行ってもたくさんの質問を相手に浴びせかけます。
この点灯と消灯を繰り返す男は、王子さまの質問にキチンと答えていますが、その回答はいたってシンプルです。
答えが名詞だけで済むなら、「C’est + 冠詞 + 名詞」で、例は「C’est la consigne.(命令だ)」。
答えに動詞が必要なら、「C’est + de + 動詞 ~」で、例は今回のフレーズ、「C’est d’éteindre mon réverbère.」です。
注意したい「Bonsoir.」
「Bonsoir.」は「こんばんは。」にほぼ相当するのですが、日本語の感覚と少々ずれることがあります。
それは、あいさつが「Bonjour.」から「Bonsoir.」に変わるタイミングです。
日本語なら、せめて薄暗くなってからしか「こんばんは。」と言わないのが普通ですが、まったく暗くなっていないうちから「Bonsoir.」とあいさつされることがあります。
夏至の頃のヨーロッパは、サマータイムのせいで22時近くまで暗くならないのに、17時頃に「Bonsoir.」と言われて驚いたこともありました。
別れる時にも「Bonsoir.」
そして日本語の「こんばんは。」とは全く異なるのが、別れ際に言う「Bonsoir.」です。
元は「bon(よい)」と「soir(夕方)」が合わさってできた言葉なので、「よい時間をお過ごしください」の意味を込めて使われることがあるのです。
この場合、「Bonne soirée.」がそのままの意味なのですが、「Bonsoir.」もよく聞きます。
なお「Bonne soirée.」は、「soirée」が女性名詞なので、「bonne(よい)」の部分の発音が変わります。
言いにくいかも!
さて、今回のフレーズにある「réverbère」という単語には、「R」が3つも含まれている上に「V」と「B」の両方、さらに「é」と「è」もあるという、充実っぷりです。
「é」と「è」に関しては、あまり神経質になる必要もありませんが、「R」「V」「B」については、ある程度発音できていないと、何を言っているのか分かってもらえない状態になってしまいます。
ポッドキャストで、簡単な発音のコツをお話ししていますので、よろしければ下記リンクよりお聞きになってみてください。
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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