43 まるで恋愛指南! Cette fleur est bien compliquée…

その他(王子さま)

「子ども」と「お花」の関係ではない! 

今回のフレーズはセリフではなく、王子さまが思ったことです。 

王子さまは子どもなのに、そして相手は1輪のバラなのに、こっけいを通り越してしまい、人間関係を考えるきっかけになるフレーズかもしれません。 

好きな女性(実際はバラですが)を前にして、こんなことを男性が思ってしまったら、かなり危機的な状況です。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「Cette fleur est bien compliquée…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第8章の中ほどにあります。 

第8章では、王子さまとバラの花との会話が続きます。 

このフレーズは第8章の3枚目の挿絵である虎とバラの絵と、4枚目の絵との間にあります。 

王子さまがバラの花を前にして思った内容です。 

「cette」 

「cette」は、「ce」の女性形単数です。 

意味は「これ(それ・あれ)」ですが、あまり距離による区別はしません。 

「fleur」 

「fleur」は「花」を意味する女性名詞です。 

ここでは、「fleur」が単数の女性名詞なので、「cette」になっています。 

「est」 

英語の be動詞に相当する、être動詞の3人称単数の活用形。 

意味は「~です」に当たります。 

「bien」 

「bien」は、形容詞「compliquée」にかかる副詞です。 

「よく」「正しく」「非常に」「本当に」などの意味があります。 

「compliquée」 

「compliquée」は、「compliqué」の女性形です。 

物事が「複雑な」「わかりにくい」、人が「気難しい」などの意味です。 

王子さまがこう思った理由 

1輪しかない、美しいバラの花ですが、要求ばかりする上に見え透いたウソをつき、セキをしてごまかしたり、自分は草なんかじゃないと怒ったりします。 

そして挙句の果てには「虎は怖くないけれど、風が大嫌い」と言われ、王子さまが思ったのが、今回のフレーズです。 

ここでの「compliqué」 

「compliqué」という単語は、物事なら「複雑な」「わかりにくい」、人なら「気難しい」という意味だと、先ほどご紹介しました。 

バラの花は擬人化されていると言うよりも、ほとんど人そのものなので、和訳する際に意味を1つだけ選ぶとしたら、やはり「気難しい」になるだろうと思います。 

ただし王子さまが「compliqué」と思ったのは、こうした背景でのことなので、「気難しい」だけではなく、「複雑」で「わかりにくい」という気持ちにもなったのではないでしょうか? 

実際に人間関係でもめる時に、この言葉が使われる場面を考えると、やはりこの3つすべてが当てはまっているように感じます。 

不変のやり取り? 

王子さまは出逢ってすぐに「なんて美しい!」とまで言ったのですから、女性側(あくまでもバラですが!)とすれば、やさしく微笑んでいればよかったのかもしれません。 

なのに、王子さまの気を引きたくて、かまって欲しくて、いろいろとねだったり、文句を言ってみたり、怒って見せたりと、本当に不器用なバラの花。 

80年も前に発表された作品ですが、今日も世界中でこうしたやり取りが実際に行われていそうですね。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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