役に立つフレーズです
今回のフレーズは、ある一点を除けば、知らない同士が会話する場合によく使われる表現です。
王子さまらしい、ある一点を除けば、ですが。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回の「De quelle planète es-tu ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第3章の前半の中ほどにあります。
第3章では、王子さまと語り手の男性の会話が続くのですが、会話部分の始めから数えて7つ目のフレーズで、王子さまのセリフです。
「de」
「de」は前置詞で、いろいろな使い方がされます。
第24回では、「de + 不定詞(動詞の原形)」という形で使われていました。
前回(第25回)では、後ろに名詞がついて「~の~」という意味でした。
今回は、前回同様後ろに名詞がついていますが、「~からの」という意味です。
これについては、後で深掘りしますね。
「quelle」
「quelle」は、やはり前回(第25回)扱った「quel」の女性形・単数です。
基本的な意味は「どんな」「何の」「どの」で、疑問詞です。
「planète」
「planète」は女性名詞で、「惑星」という意味です。
「es-tu」
「es-tu」は「es」と「tu」が倒置されて、ハイフン「-」でつながった形です。
疑問文なので、倒置が起きています。
本来は、「tu es」となります。
「es」
英語の be動詞に相当する、être動詞の2人称単数「tu」の活用形。
意味は「~です」に当たります。
「tu」
「tu」は2人称代名詞単数です。
2人称代名詞単数と言うと、「あなた」「きみ」「おまえ」などですが、フランス語には2種類あり、そのうちの1つです。
「tu」は、親しい間柄で使われます。
語順を入れ替えると…
今回のフレーズ「De quelle planète es-tu ?」は、疑問文のせいで倒置が起きたり、疑問詞が先頭に来たりしています。
なので、疑問文であることを少々無視して語順を変えてみると、「Tu es de quelle planète ?」になります。
実はこのフレーズは、話し言葉なら、このまま使えます。
「être de ~」
語順を変えることによって見えてきたのが、「es de」の部分です。
「es」は先ほど、être動詞の活用形だとご紹介しましたが、原形のêtreの方で表すと、「être de ~」という表現で「~の出身」という意味になります。
「de」がフレーズの先頭に来ているせいで、わかりにくくなっていますが、要するに相手の出身をたずねているのです。
つまり、「de」だけに注目すれば、先ほどご紹介した通り、「~からの」という意味になります。
普通の使い方
今回のフレーズ「De quelle planète es-tu ?」は通常「planète」の部分に国や地域などに相当する言葉を入れて、出身を聞く表現です。
ただし、今回の「planète」のように女性名詞が来る場合は、このままで使えますが、男性名詞なら「De quel ~ es-tu ?」になります。
なお、人称代名詞「tu」で話すのは、親しい間柄のみなので、注意してください。
もっとも私自身は、仕事などでフォーマルな関係を保たなければならない場合を除いて、できるだけ早々に「tu」で会話できるように仕向けてしまいます。
これについては、近いうちに別記事でご紹介したいと思っています。
あり得ない一点
…と、ここまではスルーしてきたものの、「どの惑星出身なの?」というのは、やはりあり得ない会話ですよね?
語り手の男性にしてみれば、常識が崩壊した瞬間だったのかもしれません。
このフレーズは、本当によく使われる表現なのですが、やはり違和感が強すぎます。
そう、本当に普通のありふれたフレーズなんです。
「planète」という、一語を除いては。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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