マルセイユ石けんの注意点
「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」をご存じですか?
表面やパッケージなどに「72%」と書いてある、大きな正方形のかたまりの石けんです。
私自身も誤解していた、この72%の本当の意味をご紹介します。
本物を製造する4社
実は本物の「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」と呼べる石けんを作っているのは、4社しかありません。
フランスはもとより、世界中に存在しているマルセイユ石けんですが、残念ながら、そのほとんどはニセモノです。
それがたとえマルセイユで買ったものであっても、なのです。
2026年4月27日の配信、本物を製造するのは4社だけ!ニセモノのマルセイユ石けんに気をつけよう!で具体的な会社名とともにご紹介しているので、詳細はそちらからご覧ください。
この4社は、動物由来の原料を使っていないこと、原料を釜で炊いた伝統的な製法であることなどを約束しています。
72%の本当の意味とは?
そしてこの4社の作る伝統的な「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」には、石けんの表面やパッケージ、さらには製品の説明部分に「72%」と書いてあります。
メーカーによっては、72%をことさらに強調しているパッケージにしているので、72%が大事な数字なのだということがわかります。
このまじめに伝統的な製品を作っている4社にとっての72%は、石けんに含まれる油の割合で、残りの28%は、石けん製造に最低限必要な水・ソーダ・塩です。
伝統的な「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」2種類のみで、オリーブオイルが主成分の深い緑色のモノと、パームオイルなどが主成分のベージュ色のモノです。
前述通り、この4社では動物由来の原料を使っていないので、72%はオリーブオイルまたはパームオイルなどの植物油脂ということになります。
残りの28%についての問い
ただし前述の配信でも触れたとおり、「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」とうたいながら、あまりにも伝統製法とかけ離れた製品があふれてしまっており、世界中で売られているマルセイユ石けんのほとんどはニセモノです。
私は教師になる以前に貿易関係の仕事をしていた時期があり、フランスの製品を日本に輸出していたことがありますが、その商材に化粧品を加えようとしたことがありました。
その中にはマルセイユ石けんも含まれていて、試供品をいただいたのですが、バイヤーの担当者の方から「マルセイユ石けんの72%の意味を知っているか?」と聞かれたことがあります。
当時の私は化粧品の消費者でしかなく、正直に知らない旨を伝えると、「あなたは将来売る側の人間になるのだから知っておいてほしいのだが、残りの28%は牛脂なんだ」と言われました。
かなり驚いたので、ハッキリ記憶しています。
本物とニセモノの一番の違い
今思うと、こうしたニセモノのマルセイユ石けんを日本に輸出せずに済んだので、この取引は失敗してよかったと心から思えます。
その後、自分でも趣味で石けんを作るようになり、石けんに牛脂を入れるということがそれほど珍しいことではないと知りました。
同時に、オリーブオイルのみで型崩れしない石けんを作ることが、職人の技であることも理解できるようになりました。
もちろんニセモノには、牛脂などを入れることによって原価が安くなることが第一の理由です。
でも本物を作る4社が、多かれ少なかれ職人の手仕事をアピールしているのは、製造が簡単ではないことの表れでもあります。
72%という数字は、本物のマルセイユ石けんにとっては油全体の比率、ニセモノにとっては油脂(常温で液体である油 + 常温で固形である脂の合計)の中のオリーブオイルの比率ということです。
最悪の場合…
それでも、私が出会ったバイヤーは、ニセモノではあっても、比較的良心的だったのではないかと考えています。
というのも、中国や東南アジアで作られた合成洗剤に近い石けんまでもがマルセイユ石けんとして売られており、そうした石けんにはどう見てもオリーブオイルが72%も入っているとは思えないのです。
そうした製品にとって、「72%」の表記は単なる飾りにしかすぎませんね。
本物ならではの使用方法も!
石けんなど、あまりにも身近で意識することが少ないですし、固形よりも液体のハンドソープを使う方が多いとは思いますが、本物のマルセイユ石けんは、「洗う」「汚れを落とす」以外にも、あらゆる面で活用できます。
使用方法はかなり多岐にわたり、「les remèdes de grand-mère(おばあちゃんの知恵)」と呼ばれるモノがいくつも存在します。
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