「délicat」から「デリケート」へ
外来語「デリケート」は、フランス語の「délicat」が英語を経由して日本語に入っています。
なので今回のタイトルにある「Je suis délicat.」というフレーズは、「私はデリケートだ」と和訳されてもよさそうな感じがします。
でも結論から言うと、フランス語の「Je suis délicat.」を「私はデリケートだ」と捉えてしまうのは失敗の元です。
言い換えは不可!
フランス語の「délicat」の意味や例文などは、2026年1月30日配信の意味が狭まった外来語㊺デリケートですでに扱っています。
その中で「délicat」には「扱い・判断・対応が難しい」という意味があり、日常会話の中で日本語の「デリケート」イコール「délicat」になることはかなり稀であるとお伝えしています。
また、いくつかの例文もご紹介しましたが、その中に「人」に対して「délicat」を使ったものはありません。
そもそも「扱い・判断・対応が難しい」という意味が中心なので、例えば「Il est délicat.」などのように言えば、「彼は扱いが難しい人」のように聞こえてしまい、悪口や陰口のようになってしまいます。
こうした批判的な言い方がないとは言えませんが、「délicat」を使う場面で多いのは、モノやコト・状況などに対して「扱い・判断・対応が難しい」と言いたい時です。
微笑みながらの「Je suis délicat.」
それでもあえて「Je suis délicat.」と、主語を「je(わたし)」にして言う場合があります。
というより、こうした言い方をするフランス人ネイティブがいます。
それも、微笑みながら「Je suis délicat.」と言うのです。
でも前述通り、「délicat」には「扱い・判断・対応が難しい」という意味があり、「Je suis délicat.」を「私はデリケートだ」と捉えてしまうのは失敗の元です。
そして「Je suis délicat.」と言っている本人は、自分の性格診断をしているわけでも、自分を卑下しているわけでもありません。
つまり「私は扱いが難しい人だ」と言っているわけでもないのです。
発言の意図とは?
では、微笑みながら「Je suis délicat.」と言うフランス人ネイティブが何を言いたいのかというと、ちょっと気を遣ってもらえると助かる、強い言い方は苦手かもしれない、自分は雑に扱われるタイプじゃない…といったところでしょうか。
しかも微笑みながら言っているところがポイントで、軽い雰囲気でありながら、少々の自虐を込めています。
日本人ネイティブにとっては、フランス語の「délicat」を聞くと、どうしても日本語の「デリケート」を思い浮かべてしまいそうになるので、本当に厄介です。
和訳してみると…
普段の日常会話の中では、その都度和訳したりせずに、フランス語で理解してフランス語で返すのが自然ですし、そうしなければスピードが追いつかないので、そもそも会話が成立しません。
それでも、ちょっと微笑みながら「Je suis délicat.」などと言われると、「デリケートだと言っているわけではないな」という違和感を覚えるので、あえて和訳してみるのです。
すると、微笑みながら「Je suis délicat.」の和訳として思い当たるのは、
- わたしって、ちょっと繊細なところがあって…
- あんまり強く言われるのは得意じゃなくて…
- 少し気を遣ってもらえると助かります。
といったところです。
要するに、
- お手柔らかにお願いします!
という意味なんですね。
ハッキリ言って、面倒くさいです!

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