意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第31回目は、「レリーフ」です。
日本語の「レリーフ」
日本語の「レリーフ」はフランス語由来の外来語です。
「レリーフ」と言えば、「(彫刻の)浮き彫り」を説明することばとして使われます。
- レリーフ「(彫刻の)浮き彫り」
フランス語の「relief」
フランス語の「relief」にも「(彫刻の)浮き彫り」という意味がありますが、それは「relief」ということばのごく限られた一部の意味にすぎません。
フランス語の「relief」は、日本語の「レリーフ」のように美術用語として独立しているのではありません。
物理的・比喩的に凹凸を表すことばなのです。
具体的には、山や大地など「(地形の)起伏」、物事や人物などが目立つ感じを表す比喩的表現の「際立ち・立体感」などの意味があります。
フランス語の「relief」の使い方をまとめると、
- relief①「(彫刻の)浮き彫り」
- relief②「(地形の)起伏」
- relief③「際立ち・立体感」
ということになります。
いろいろな「relief」
「relief」の例文を挙げておきます。
- Un relief égyptien.
(エジプトのレリーフ)
→ relief①(彫刻の)浮き彫り」
- Le relief de cette région est montagneux.
(この地方の地形は山がちだ)
→ relief②「(地形の)起伏」
- Ce personnage donne du relief à l’histoire.
(この人物が物語に立体感を与えている)
→ relief③「際立ち・立体感」
などがあります。
「relief」の持つイメージ
上記最後のフレーズでは、「人物が物語に立体感を与えている」という比喩表現が使われています。
こうした言い方は、もちろん絵画などにも用いられるのですが、フランス語の「relief」はこの例文のように目に見えない部分にも使われるのです。
「relief」のイメージは、「凸凹した感じ」。
それが「起伏」や「際立ち・立体感」へとつながっているのです。
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