意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第30回目は、「レシート」です。
日本語の「レシート」
日本語の「レシート」は英語由来の外来語です。
「レシート」は、「(仮)領収書としてレジで渡される小さな紙」という意味に限定されています。
スーパーや小売店などのレジで印刷されたもののみを「レシート」と呼び、手書き・印刷に関わらず、正式な領収書とは区別されることも多いものです。
- レシート「(仮)領収書としてレジで渡される小さな紙」
フランス語の「recevoir」
前述通り、日本語の「レシート」は英語由来ですが、元をたどるとフランス語、そしてさらにラテン語に行きつきます。
大元のラテン語は「受け取る」という意味の動詞でした。
それがフランス語の「recevoir」になり、英語を経由して日本語の「レシート」になっています。
現在でも「(モノを)受け取る」「(情報・知らせを)受ける」「迎える・(人を)受け入れる」「(打撃・賞賛・罰などを)受ける」「(待遇を)受ける」といった意味があります。
フランス語の「recevoir」の使い方をまとめると、
- recevoir①「(モノを)受け取る」
- recevoir②「(情報・知らせを)受ける」
- recevoir③「迎える・(人を)受け入れる」
- recevoir④「(打撃・賞賛・罰などを)受ける」
- recevoir⑤「(待遇を)受ける」
ということになります。
フランス語の「reçu」
なお、日本語の「レシート」は名詞ですが、フランス語の動詞「recevoir」の過去分詞「reçu」が名詞として「領収証・受領証」の意味で使われます。
この名詞化された「reçu」の例文も後掲します。
- 名詞化されたreçu「領収証・受領証」
いろいろな「recevoir」と「reçu」
「recevoir」と「reçu」の使用例を挙げておきます。
- J’ai bien reçu votre message.
(メッセージを確かに受け取りました)
→ recevoir②「(情報・知らせを)受ける」
- Nous avons reçu des amis hier soir.
(昨夜、友人たちを迎えた)
→ recevoir③「迎える・(人を)受け入れる」
- Elle a reçu un prix pour son roman.
(彼女は小説で受賞した)
→ recevoir④「(打撃・賞賛・罰などを)受ける」
- Il a été bien reçu par la famille.
(彼は家族に温かく迎えられた)
→ recevoir⑤「(待遇を)受ける」
- Pouvez-vous me donner un reçu ?
(領収書をいただけますか?)
→ 名詞化されたreçu「領収証・受領証」
などがあります。
ここで挙げた「recevoir」はすべて過去分詞の「reçu」にしましたが、最後のフレーズのみ冠詞がついた「un reçu」になっているので、ここでの「reçu」は名詞だということがわかります。
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