病気以外の急な変化も!
今回のフレーズには「発作」という単語が含まれています。
日本語で「発作」というと、病気に関連した急な症状の出現にほぼ限定されますが、フランス語では病気に限らず、いろいろな急な変化などに使います。
例を挙げてご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「La seconde fois ç’a été, il y a onze ans, par une crise de rhumatisme.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第13章の挿絵から7行目にあるビジネスマンのセリフです。
「la seconde fois ç’a été」
「la」は定冠詞単数女性形、「seconde」「第2の」、「fois」はは女性名詞で、回数を表します。
「ç’a」は「これ/それ/あれ」を意味する「cela」の話し言葉である「ça」の省略形「ç’」と「avoir」の活用形(現在形)の「a」が合わさったものです。
「été」は「être」の過去分詞なので、「a été」が「avoir +(動詞の過去分詞)」になっており、過去表現になっています。
「il y a onze ans」
「il y a ~」は「~がある」「~がいる」などの意味で、基本的に人・モノの存在を表しますが、「onze」は数字の「11」、「ans」は「年」という意味の「an」の複数形なので、「il y a onze ans」で「11年前」という意味になります。
「par une crise de rhumatisme」
「par」は前置詞です。
「~を通って」という通過する場所、「~の時に」という時間や時期、「~がもとで」という原因、「~によって」という動作主・手段や道具などを表します。
「une」は不定冠詞単数女性形、「crise」は「危機」「急変」「発作」などの意味の女性名詞、「de」は前置詞、「rhumatisme」は病名の「リウマチ」という意味の男性名詞です。
背景を見てみると
王子さまが4番目に訪問したのは、1人で計算ばかりを繰り返すビジネスマンが暮らす小さな星でした。
計算に夢中なあまり、くわえたタバコに火がついていないことにすら、気がついていません。
王子さまはビジネスマンがつぶやく数字について質問したのですが、そのせいでビジネスマンは気が散り、早く王子さまから解放されたがっているようです。
そんな様子はお構いなしの王子さまは再度同じ質問を繰り返したので、それまで王子さまを見ようともしなかったビジネスマンは、54年間で仕事の邪魔をされたのは3回しかないと訴え始めました。
医学的な発作
「~の発作」は、今回のフレーズ同様、フランス語で「une crise de ~」という形で表現されます。
よく使われる例を挙げます。
- une crise d’asthme
(ぜんそくの発作) - une crise d’épilepsie
(てんかんの発作) - une crise cardiaque
(心臓発作) - une crise d’angoisse
(不安発作)
感情的・心理的な発作
冒頭でも触れたとおり、「une crise de ~」という形で表されるのは、日本語の「発作」以外も含まれます。
「突然の感情の爆発」なども含まれるのです。
- une crise de nerfs
(神経的な発作、かんしゃく) - une crise de larmes
(わっと泣くこと) - une crise de rire
(吹き出し笑い・止まらない笑い) - une crise de colère
(かっとなる怒り)
その他の使い方
その他の使い方として、「発作的な行動」を表すこともあります。
- une crise de jalousie
(嫉妬にかられた発作的行動) - une crise de panique
(パニック発作) - une crise d’hystérie
(ヒステリックな発作的行動)
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