412 意外にちゃんとしてる? Cinq cent un millions de… je ne sais plus…

その他(王子さま)

意外!

今回のフレーズは、ビジネスマンのセリフです。

このビジネスマン、タバコをくわえながら書類とにらめっこしているおじさんですが、このひと言に性格が表れています。

どうやら、意外にもちゃんとした人のようです。

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Cinq cent un millions de… je ne sais plus…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第13章の挿絵から4行目にあるビジネスマンのセリフです。 

「Cinq cent un millions de…」

 「cinq cent un millions」は数字です。

 「cinq」は「5」、「cent」は「百」、「un」は「1」、「millions」は「百万」を意味する「million」の複数形です。

「de」は「~の」などの意味です。

つまり「Cinq cent un millions de ~」は「501,000,000(5億百万)の~」という意味になります。

「je ne sais plus…」

「je」は「わたし」、「sais」は「知る」「知っている」という意味の「savoir」の活用形(現在形)です。 

それを「もはや~ない」という意味の「ne ~ plus」で否定しています。

かなり律儀

まず「Cinq cent un millions de…(5億百万の…)」ですが、これは明らかに何かを言いかけていますよね?

なぜ中途半端に言い淀んでしまったかと言うと、それは王子さまがビジネスマンの仕事中に妙な質問をしたからです。

その質問部分は、このシリーズの第58回で扱った「Cinq cents millions de quoi ?(5億の何?)」でした。

「Cinq cent un millions de…(5億百万の…)」の「de」は、王子さまの質問のせいでつけてしまったのであって、本来ならその後に残りの数字があったのですが、もう本人もワケがわからなくなってしまったのです。

それでも、王子さまが「Cinq cents millions de quoi ?(5億の何?)」と言ったにもかかわらず、ビジネスマンは「Cinq cent un millions de…(5億百万の…)」と言っています。

王子さまは「un(1)」を省いてしまいましたが、ビジネスマンは律儀につけています。

ただの「1」ですが、単位が「百万」なので、ビジネスマンにとっては大きな数字です。

でもこのビジネスマン、かなりきっちりとした性格のようなので、単位が百万でなく、ただの1でも省略したりはしないかもしれません。

くだけていない!

そしてビジネスマンの性格がわかる部分がもう1ヶ所あります。

それは「je ne sais plus…(もうわからない…)」というフレーズです。

「Je ne sais plus.」は、ともすると「Je sais plus.」のように「ne」を省略したり、さらに「Sais plus.」になることさえあるのですが、ビジネスマンは本来の形である「Je ne sais plus.」を崩していません。

ビジネスマンにとって、王子さまはいわば「招かれざる客」である上に子どもなので、くだけた言い方をしてもかまわない場面なのに、です。

おまけに、仕事で計算をしている最中にジャマをされたにもかかわらず、少なくともこの時点では、ビジネスマンが怒っている風でもありません。

意外とまじめな仕事人だったようですね!

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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