「Je t’aime.」以外の愛情表現
フランス語の愛情表現「Je t’aime.」は本当に有名ですが、他にもけっこうあります。
今回はその2つ目、「Tu me manques.」をご紹介します。
「Tu me manques.」
「tu」は2人称代名詞単数「きみ」など、「me」は1人称代名詞単数目的格「わたしを」「わたしに」、「manques」は「(モノ・コトが主語で)欠けている/足りない」「(人が主語で)欠席する」などの意味の「manquer」の活用形(現在形)です。
なお、人が主語の場合には「manquer à +(人)」という形で「(人)に寂しい感じを与える」という意味になります。
なので理論上は「Tu manques à moi.」なので、直訳すると「きみがわたしに欠けている」「きみが(いなくて)わたしに寂しい感じを与える」ということなのですが、ふつう「Tu manques à moi.」という言い方はしません。
どんな人がどんな場面で?
その代わりによく使われるのが、これを短くした形、つまり今回のフレーズである「Tu me manques.」です。
あくまでも「tu(きみ)」が主語ではありますが、意味は「きみがいなくて寂しい」です。
日本語・英語とも、同じことを言おうとすれば「わたし」が主語なので、慣れが必要です。
ただし実際に使われる愛情表現としては、「Je t’aime.」に次いでポピュラーかもしれません。
もちろん人にもよりますが、出会ってすぐの2人というよりは、ある程度以上関係が深まってから使われることの多いフレーズです。
そして動詞の「manquer」には「欠けている」という意味があるため、和訳の「きみがいなくて寂しい」よりも強く切実な様子が伝わってくる表現です。
理論が強い場合も!?
ちなみに、先ほど「Tu me manques.」の理論上の形は「Tu manques à moi.」であるものの、ふつうは使わないということをお伝えしました。
ただし、例外的な使い方もあります。
- C’est toi qui me manques à moi !
(きみじゃなきゃダメなんだ!)
和訳でわかる通り、かなり感情が高ぶった場面で使われるフレーズです。
直訳すると「わたしに欠けているのはきみだ!」ということなので、どうしても相手に自分の気持ちをわかってもらいたいたい時に使われる言い方です。
こちらの方が理論上の形に近いのに、実際は感情が前に出た強い表現なのです。
動詞「manquer」について
最後に、「manquer」という動詞は後ろにくる前置詞などでかなり印象が変わるということを、お伝えしておきます。
今回のフレーズ「Tu me manques.(きみがいなくて寂しい)」は、前述通り「manquer à +(人)」という形ですが、代表的なものをあと2つ加え、全部で3種類ご紹介します。
- manquer à +(人):~に寂しい感じを与える
- manquer de +(モノ):~が不足ている
- manquer +(名詞):〜を逃す/失敗する
2番の例としては、Je manque de temps.(時間が足りない)
3番の例としては、J’ai manqué le train.(電車に乗り遅れた)
などがあります。
こうしてみると、「manquer」は「欠けている」というのが代表的な意味で、「Je t’aime.」に使われている動詞「aimer(愛する/好きである/好む)」とはかなり異なるということがわかりますね!
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