日常的に使えるほめ言葉を覚えよう!
今回のフレーズには「称賛」「賛辞」という意味の名詞「louange」が使われています。
ただしこれは少々強烈で、王様や神様に対して使われたりすることもある表現です。
もっと日常的に使える「ほめ言葉」という意味の単語を、例文とともにご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Les vaniteux n’entendent jamais que les louanges.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第11章の後半にある説明部分です。
「les vaniteux n’entendent jamais que les louanges」
「les」は定冠詞複数形、「vaniteux」は「虚栄心の強い人」「見栄っ張りな人」という意味の男性名詞です。
「n’entendent」は否定語の「ne」の省略形「n’」と「聞こえる」という意味の「entendre」の活用形(現在形)の「entendent」が合わさったものです。
「ne ~ jamais que ~」という形で「~の他には決して~ない」という意味になります。
「les」は定冠詞複数形、「louanges」は「称賛」「賛辞」などの意味の女性名詞「louange」の複数形です。
背景を見てみると
王子さまが2番目に訪問したのは、見栄っ張りな男が1人で暮らす小さな星でした。
この見栄っ張りな男にとって、星にやって来る人は、すべて彼の崇拝者なのでした。
ただしこの星に訪問者がやって来ることはなく、見栄っ張りな男はチャンスを逃すまいと、王子さまに手をたたくように言います。
王子さまが拍手をすると、男が帽子を上げて挨拶をします。
始めのうちは面白がっていた王子さまでしたが、5分もすると飽きてしまって男に質問するものの、男の耳には届きません。
「les vaniteaux」とは?
今回のフレーズで使われている「vaniteux(虚栄心の強い人/見栄っ張りな人)」は、定冠詞が複数なので複数として扱われていることがわかりますが、この単語は単数・複数が同じ形です。
このフレーズがある第11章では、単数の「le vaniteaux」という表記が多く、わたしは背景などで「見栄っ張りな男」として扱っています。
ここでは「les vaniteaux」として、複数形で扱っているのは、この星に1人で住んでいる男に限定せず、こうした虚栄心の強い人たち・見栄っ張りな人たちの特徴を、作者が解説している部分だからです。
複数形の理由
そして虚栄心の強い人たち・見栄っ張りな人たちは「称賛の言葉以外は決して聞こえない」と言っているわけですが、この「称賛」に当たる言葉が「les louanges」というわけです。
冒頭でもご紹介した通り、「louange」という単語を使うと強烈な称賛になり、複数形で使われることがほとんどです。
というのも、こうした強い称賛というものは、いろいろな表現を使って繰り返し行われるものだからです。
普通のほめ言葉
それに対し、普通の「ほめ言葉」という意味なら、男性名詞の「compliment」を使います。
- Merci pour ton compliment !
(ほめてくれてありがとう!)
- Il m’a fait un joli compliment sur ma robe.
(彼がわたしのドレスをとてもほめてくれた)
2つ目のフレーズにある「faire un compliment」は「ほめ言葉を言う」という意味で、日常的によく使われます。
ここでは「joli(美しい/きれいな)」という形容詞を伴なって、「本当にステキだ」「よく似合ってるよ!」のように、かなりほめてもらった様子が想像できます。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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