321 いろいろな「見る」の違い! Il n’a jamais regardé une étoile.

動詞

いろいろな「見る」を知ろう!

「見る」という意味の動詞は、今回のフレーズにある「regarder」と「voir」を扱ってきましたが、他にもよく使うものがあります。 

例文とともにご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Il n’a jamais regardé une étoile.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の後半にある王子さまのセリフです。 

「il n’a jamais regardé une étoile」

「il」は「彼」「それ」、「n’a」は、否定語「ne」の省略形「n’」と、「avoir」の活用形(現在形)「a」が合わさったものです。 

「決して~ない」という意味の「ne ~ jamais」で動詞を否定しています。 

「regardé」は「見る」「眺める」などの意味の動詞「regarder」の過去分詞です。 

「a(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。 

「une」は不定冠詞単数女性形、「étoile」は「星」という意味の女性名詞です。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、2人は険悪な状況になってしまいます。 

王子さまは花の味方をするのですが、それどころではない男性は聞く耳を持ちません。 

今回のフレーズのある段落では、王子さまがある星で出会った他の男性について語ることで、語り手の男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

代表的な「見る」

フランス語で「見る」と言いたい時、大抵の場合は今回のフレーズにある「regarder」または「voir」を使います。 

この2つの違いについては、このシリーズの第178回でご紹介していますが、簡単におさらいしておきます。 

「regarder」

  • 「(よく注意して)見る」「(見ようと思って)見る」という意味です。  
  • 「regarder」には見る行為に自らの意識が伴っています。  
  • 使用例:Il regarde la télé.(彼はテレビを見ている) 

「voir」

  • 「(視覚的に)見る」「(目に入ったので)見る」という意味です。  
  •  見ようとして見たわけではないけれど、目に飛び込んできたので見た場合などに使われます。  
  • 使用例:J’ai vu un oiseau dans le ciel.(空に鳥がいるのを見た) 

その他の「見る」

フランス語の「見る」は、これだけではありません。 

いろいろな「見る」をご紹介します。 

「observer」

  • 「観察する」という意味です。 
  • 注意深く何かを見ることを指します。 
  • 使用例: Il observe les insectes.(彼は昆虫を観察している) 

「examiner」

  • 「検査する」「詳しく見る」という意味です。  
  • 詳細に何かを見ることを指します。  
  • 使用例: Le médecin examine le patient.(医者が患者を診察している) 

「apercevoir」

  •  「ちらっと見る」「気づく」という意味です。 
  • 視界に何かが入ることを指します。 
  • 使用例: J’ai aperçu un chat dans le jardin.(庭に猫がいるのに気づいた) 

いろいろな「星を見る」

この5つの動詞を使って「彼は星を見た」というフレーズを比較します。 

  1. Il a regardé les étoiles. 星を(見ようとして)見た 
  2. Il a vu les étoiles. (目に入ったので)星を見た 
  3. Il a observé les étoiles. 星を観察した 
  4. Il a examiné les étoiles. 星の診断をした 
  5. Il a aperçu les étoiles. 星に気づいた 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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