一番の基礎を覚えよう!
今回のフレーズの動詞「parler」は、フランス語の動詞の中で最も基本的な活用の仕方をする「ER動詞」と言われるものの1つです。
動詞の活用は種類がたくさんありますが、一番の基礎になるのがこの形です。
まずは単数形をしっかり覚えてしまいましょう!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Tu parles comme les grandes personnes !」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは第7章の中ほどにある王子さまのセリフです。
「tu parles comme les grandes personnes」
「tu」は「きみ」、「parles」は「話す」という意味の「parler」の活用形(現在形)です。
ここでの「comme」は「~のように」「~のような」という意味です。
「les」は定冠詞複数形、「grandes personnes」は「大人」という意味の「grande personne」の複数形です。
背景を見てみると
生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、「花のトゲなんて何の役にも立たないし、ただ単に意地悪なだけだ」と言い放ちます。
この言葉のせいで、2人は険悪な状況になってしまいます。
王子さまは花の味方をするのですが、それどころではない男性は聞く耳を持ちません。
今回のフレーズで王子さまは、男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。
「parler」の現在形単数
さて、冒頭で触れた通り、ER動詞の1つである「parler」の現在形を見ておきます。
ただし確実に覚えるため、単数形の部分だけをご紹介します。
単数 | 1人称 | je | parle |
2人称 | tu | parles | |
3人称 | il/elle | parle |
発音は3つとも同じですが、今回のフレーズにある通り、2人称「tu」の活用形には「s」が足されます。
発音が他の2つと一緒で忘れやすいので、今回のフレーズをそのまま覚えてしまうのもいいかもしれません。
なお、ER動詞現在形すべての活用表は、このシリーズの第197回にあります。
また複数形に関しては、後日扱う予定です。
「大人」が複数である理由
では最後に、今回のフレーズの意味と背景を確認しておきます。
「Tu parles comme les grandes personnes !」で、「君は大人たちみたいに話すんだな!」ということです。
語り手の男性は大人なので、本来「大人みたいに話す」というのは当然です。
ところが、どうやら王子さまは、この男性が6歳の頃から大人たちにあらがうように生きてきたのを、男性が話したわけでもないのに知っている様子です。
「砂漠に墜落した」という絶体絶命のピンチを前に、大事なことを忘れかけてしまっている男性です。
王子さまはこのひと言で男性の目を覚まさせようとしています。
そのポイントは、「comme les grandes personnes(大人たちのように)」と、大人が複数形になっていることです。
男性が子どもの頃に接した「大人」も、王子さまがいろいろな星で出会った「大人」も複数形で、「大切なことが見えていない人たち」でした。
そして今回のフレーズの直後、男性は「少し恥ずかしくなった」と読者の私たちに説明しています。
王子さまはこのフレーズの後、他にもたくさんの例を挙げているのですが、すでに男性の心には届いていたようです。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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