1度に3つ言えるようになろう!
今回のフレーズには「~の役に立つ」という言い方が使われています。
そしてこれを強く否定することで「何の役にも立たない」という意味になっています。
この表現に少々加えるだけで「~しても無駄」という言い方もできるので、ご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Les épines, ça ne sert à rien,」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第7章の前半にあります。
第7章の2つ目の会話部分にあるフレーズで、語り手の男性のセリフの一部です。
「les épines, ça ne sert à rien」
「les」は定冠詞複数形、「épines」は「トゲ」という意味の女性名詞「épine」の複数形です。
「ça」は代名詞で、「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。
「sert」は「servir」の活用形(現在形)で、「(人が主語で)仕える」「(人に)食事を出す」「(商人が客の)相手をする」「(事柄が主語で)(人の)役に立つ」など、たくさんの意味があります。
ただしここでは「sert(servir) à ~」という形になっているので、「~の役に立つ」という意味に限定されます。
なお「ne ~ rien」は「何も~ない」という強い否定表現を伴なっており、「ça ne sert à rien」で「何の役にも立たない」という意味になります。
背景を見てみると
飛行機の修理がうまくいかず焦る語り手の男性ですが、王子さまはそんな事情はお構いなしに、羊と花の関係を聞いてきます。
王子さまは、羊は花のトゲさえも食べるのかを確認しますが、男性は飛行機にかかりきりなので、何も考えずに「食べる」と答えてしまいます。
王子さまは大変驚き、花のトゲは何の役に立つのかを繰り返し聞きます。
今回のフレーズは、命に係わる状況で心に余裕のない男性による回答の前半部分です。
フレーズの全体は「Les épines, ça ne sert à rien, c’est de la pure méchanceté de la part des fleurs !」です。
「~するのに役立ちます」
先ほど「servir à ~」で「~の役に立つ」という意味になるとご紹介しました。
「~」の部分に動詞の原形を入れることで、「~するのに役立ちます」という意味になります。
例えば:
「Ce livre sert à apprendre le français.(この本はフランス語を学ぶのに役立ちます)」
「Le recyclage sert à réduire les déchets.(リサイクルはゴミを減らすのに役立ちます)」
「Cet outil sert à mesurer la température.(この道具は温度を測るのに役立ちます)」
名詞を入れると?
「servir à ~」の「~」の部分に名詞を入れると、「役立つ」という意味は変わらないものの、和訳すると表現が変わる場合があります。
例えば:
「Cette pièce sert à la cuisine.(この部屋はキッチンとして使われています)」
「Ce médicament sert à la douleur.(この薬は痛みに効きます)」
「Ce document sert à la préparation du projet.(この書類はプロジェクトの準備に使われます)」
「~しても無駄」
また今回のフレーズでは、「ne ~ rien(何も~ない)」を使って「ça ne sert à rien」とすることで、「何の役にも立たない」という意味になっています。
この「ça ne sert à rien」に動詞の原形をプラスとすることで、「~しても無駄である」「~しても意味がない」にできます。
例えば:
「Ça ne sert à rien de rester en colère.(怒り続けても無駄である)」
「Ça ne sert à rien de chercher des excuses.(言い訳を探しても無駄である)」
「Ça ne sert à rien de discuter avec lui.(彼と議論しても無駄である)」
もしも悩んでいる人がいたら、同じような言い方で慰めてあげることができますよ!
「Ça ne sert à rien de t’inquiéter.(悩んでもしょうがないさ)」
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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