【フランス語のフレーズ】略称を覚えよう②

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前回の記事に引き続き、フランスで使われている国際機関の略称をご紹介します。 

英語とフランス語の文法の違いが略称にも表れていますが、中には英語のままのものもあります。 

すでに日本語で読んだニュース記事のフランス語版を読むのは、フランス語を効率よく勉強できる方法なので、覚えればさらにスムーズになりますよ! 

形容詞や前置詞は後ろから

英語とフランス語では、同じ文字から始まる単語を使っていても、形容詞や前置詞の使い方などで語順が変わります。 

WHO → OMS

WHO(世界保健機関)は、フランス語では「OMS」です。 

フランス語の正式名称が「Organisation Mondiale de la Santé」なので、この3つの単語の頭文字を取っているためです。 

日本語で「機関」と訳されている「organisation」が女性名詞、その後に「世界の」を意味する形容詞「mondial」が女性形「mondiale」になっています。 

続いて前置詞「de」、定冠詞単数女性形「la」、「健康」「保健衛生」という意味の「santé」も女性名詞です。 

WTO → OMC

WTO(世界貿易機関)は、フランス語では「OMC」です。 

フランス語の正式名称は「Organisation Mondiale du Commerce」です。 

「機関」と訳されている「organisation」が女性名詞、その後に「世界の」を意味する形容詞「mondial」が女性形「mondiale」になっています。 

続いて前置詞+定冠詞単数男性の「du」、「商業」「商取引」「商店」などの意味の「commerce」は男性名詞です。 

なお、フランス語には「貿易」をひと言で表す単語は存在しません。 

「commerce international(国際商取引)」や「import-export(輸出入)」という言葉が使われます。 

OECD → OCDE

OECD(経済協力開発機構)は、フランス語では「OCDE」です。 

フランス語の正式名称は「Organisation de Coopération et de Développement Économiques」です。 

「機構」と訳されている「organisation」、その後に前置詞の「de」、「協力」を意味する女性名詞「coopération」、「そして」を意味する「et」、前置詞「de」、「成長」「発展」「開発」という意味の男性名詞「développement」、「経済の」という意味の「économiques」と続きます。 

IAEA → AIEA

IAEA(国際原子力機関) は、フランス語では「AIEA」です。 

フランス語の正式名称は「Agence Internationale de l’Énergie Atomique」です。 

「機関」と訳されている「agence」が女性名詞、「国際の」を意味する形容詞「international」の女性形「internationale」が続きます。 

続いて前置詞「de」、定冠詞の省略形「l’」がついた女性名詞「énergie」は「活力」「気力」「エネルギー」などの意味です。 

これに「原子の」という意味の形容詞「atomique」がついていますが、「e」で終わる単語なので、女性名詞を修飾していても変化はしません。 

英語のままの略称

ここまでは、英語名称の頭文字を取った略称とは異なるものをご紹介してきました。 

英語とは語順が変わるせいで、頭文字の順番が変わったり、英語とは異なる単語を使うせいで、アルファベット自体が変わる例もありました。 

でも次に挙げる略称は、英語の略称がフランスでもそのまま用いられている例です。 

もちろん、フランス語の正式名称は英語とは違うのですが、英語の略称がそのまま使われています。 

UNICEF → そのまま

UNICEF(国際連合児童基金)は、フランス語でもそのまま「UNICEF」です。 

「Fonds des Nations Unies pour l’enfance」がフランス語の正式名称なので、頭文字を取れば違う略称になるのですが、そのまま「UNICEF」が使われています。 

「基金」を意味する男性名詞「fonds」、前置詞+定冠詞である「des」と「国」を意味する女性名詞「nation」の複数形「nations」、「連合した」という意味の「uni」の女性複数形「unies」という順番になっています。 

「Nations Unies」は「国連」のことですね。 

「pour」は「~のための」、定冠詞の省略形「l’」がついた男性名詞「enfance」は「児童」と訳されていますが、「幼年期/少年期」「子ども時代」「(集合的な意味での)子ども」という意味です。 

UNESCO → そのまま

UNESCO(国際連合教育科学文化機関)は、フランス語でもそのまま「UNESCO」です。 

「Organisation des Nations Unies pour l’éducation, la science et la culture」がフランス語の正式名称なので、その頭文字を取れば「ONU…」ですが、そのまま「UNESCO」が使われています。 

「機関」を意味する女性名詞「organisation」、前置詞+定冠詞である「des」に「Nations Unies(国連)」が続きます。 

「pour」は「~のための」、定冠詞の省略形「l’」がついた女性名詞「education」は「教育」、定冠詞単数女性形「la」、「科学」を意味する女性名詞「science」、「et」は「そして」、定冠詞単数女性形「la」、「文化」を意味する女性名詞「culture」と続きます。 

なおフランス語では、「~と~と~」のように3つ以上の単語をつなげる場合には、始めの部分には「,(カンマ)」が使われ、最後のつなぎ部分のみ「et(そして)」が使われます。 

この正式名称も規則に則っているので、「~, ~ et ~」の形になっていますね。 

GATT → そのまま

GATT(関税および貿易に関する一般協定)は、フランス語でもそのまま「GATT」です。 

「Accord Général sur les Tarifs Douaniers et le Commerce」がフランス語の正式名称なので、その頭文字を取れば「AG…」ですが、そのまま「GATT」が使われています。 

「協定」と訳されている男性名詞「accord」、「一般の」という意味の形容詞「général」、「~における」「~に関する」という意味の「sur」、定冠詞複数形の「les」、「料金」を意味する男性名詞「tarif」の複数形「tarifs」、「関税の」「税関の」という意味の形容詞「douanier」の複数形「douaniers」と続きます。 

さらに「et」は「そして」、定冠詞単数男性形「le」、「商業」「商取引」「商店」などの意味の男性名詞「commerce」が続きますが、前述通りここでの「commerce」は「貿易」の意味で使われています。 

漢字は便利!

2024年6月27日に公開した「【フランス語勉強法】効率的!ニュース学習とは?」という記事で、ニュースを読むことをおススメしているのですが、その過程で頻出する国際機関の名前を取り上げました。 

日本のニュースでは、こうした略称はその都度ていねいに説明されていますが、フランス語版では必ずしも説明があるわけではないので、しっかり覚えてはいなくても、頭の片隅に入っているだけでも違うはずです。 

それにしても、漢字には意味があるので、略称を見ただけでも大体何のことかが察しがつきますが、アルファベットの略称は知らなければわかりませんよね? 

フランス人に限らず、アルファベットを使う言語のネイティブたちは、こうした略称に慣れっ子なので、国際機関に限らず、会社名などでも訳の分からない略称が多いです。 

「漢字の便利さを知らなくて、かわいそうだな~!」と思うことにしています。 

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