282 2種類の命令形でフランス語をよりよく理解しよう! Je dis : « Enfants ! Faites attention aux baobabs ! »

動詞

命令文が2人称の理解に役立つ?

今回は、このシリーズ初登場の命令形です。 

とは言っても特別な形があるわけではなく、すでに扱ったものが転用されているだけです。 

日常会話でもよく使う2種類の命令文をご紹介しますが、これを知ることでフランス語の2人称がスムーズに理解できますよ! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Je dis : « Enfants ! Faites attention aux baobabs ! »」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第5章の終わりの方にあります。 

第5章最後の段落にあるフレーズで、語り手の男性の説明です。 

「je dis : « Enfants ! Faites attention aux baobabs ! »」

「je」は「わたし」、「dis」は「言う」という意味の「dire」の活用形(現在形)です。 

「enfants」は「子ども」という意味の男性名詞「enfant」の複数形、主語のない「faites」は「~を作る」「~をする」が基本的な意味の「faire」の活用形(命令形)です。 

「attention」は女性名詞で「注意」「関心」「心づかい」という意味です。 

「faire attention à ~」で「~に注意する」「~に関心を向ける」という意味になります。 

「aux」は前置詞「à」と定冠詞複数形の「les」が合わさったものです。 

「baobabs」は「バオバブ」という意味の男性名詞「baobab」の複数形です。 

背景を見てみると

バオバブは、早期の対処を怠ると巨大化してしまい、最悪の場合には星の滅亡につながります。 

王子さまは、たった3本のバオバブの幼木を放置してしまったせいで、成長したバオバブにおおい尽くされてしまった星を知っていました。 

語り手の男性は王子さまの話しをもとに、バオバブにおおい尽くされてしまった星の絵を描きましたが、その絵はバオバブの危険性を伝えるために描いたものです。 

今回のフレーズは、それを具体的に言っている部分です。 

「faire」の命令形

さて先ほどもご紹介した通り、「faites」は「faire」の命令形です。 

でもこの形、どこかで見たことがありませんか? 

そう、「faire」の現在形の1つです。 

2人称複数形の活用で、「vous faites」の「faites」です。 

「faire」の活用は、このシリーズの第270回ですでに扱っていますが、同じものを見てください。 

単数 1人称 je fais 
 2人称 tu fais 
 3人称 il/elle fait 
複数 1人称 nous faisons 
 2人称 vous faites 
 3人称 ils/elles font 
「faire」の現在形

「気をつけて!」

今回のフレーズの後半「Faites attention aux baobabs !」は、「enfants(子どもたち)」に向けて言ったものです。 

複数の人への命令形には、2人称複数の「faites」が使われます。 

これが1人への命令形なら、2人称複数の「fais」が使われるので、「Fais attention aux baobabs !」になります。 

「気をつけてください!」

では、ていねいに「気をつけてください!」と言いたい場合は、どうするのでしょうか? 

フランス語の2人称複数の「vous」には、ていねいなニュアンスがあり、これを使います。 

つまり相手が1人だけでも、ていねいな表現にしたいなら「Faites attention aux baobabs !」と言うのです。 

なお、複数の相手にていねいに言いたい場合でも、同じく「Faites attention aux baobabs !」になります。 

相手が複数なら、ていねいな表現かどうかは、文脈から判断するしかないということで、これは命令文でなくても、同じことですね。 

バオバブが1本なら

ちなみに今回のフレーズでは、バオバブが複数なので「aux baobabs」になっています。 

バオバブは男性名詞なので、バオバブが1本だけなら男性名詞単数の扱いになり、「au baobab」になります。 

これが女性名詞のバラ1本なら「à la rose」に、バラが複数なら「aux roses」になります。 

命令形は2人称

これまでの内容を整理します。 

あるフレーズを見た時に、命令文かどうかを判断するには、「主語がない」+「2人称の現在形」という2つの要素がカギになります。 

【命令形について】

  • 命令形は2人称の現在形(単数tu、複数vous)と同じ 
  • この形で主語がない場合は、命令形である 
  • 2人称単数(tu)の命令文は、親しい間柄の言葉づかいで相手は1人のみ 
  • 2人称複数(vous)の命令文は、親しい間柄の複数相手、またはていねいな表現 

【à +(定冠詞)】

  • 男性名詞単数は:au 
  • 女性名詞単数は:à la 
  • 複数は男女とも:aux 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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