「いい人」でいるために!
今回のキーワードは、「hésiter」です。
この動詞は、相手にやさしく寄り添うためのひと言としてよく使われます。
思いやりの言葉をかけるにも、やはり知識が必要なので、ぜひ覚えてみてください。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「J’hésite aussi sur la couleur de son costume.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の終わりにあります。
第4章最後の段落の中ほどにあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「j’hésite aussi sur la couleur de son costume」
「j’hésite」は「わたし」を意味する「je」の省略形「j’」と「hésiter」の活用形(現在形)「hésite」が合わさったものです。
「hésiter」は「ためらう」「躊躇する」「尻込みする」という意味です。
「aussi」は「~もまた」「~も」「やはり」、ここでの「sur」は「~について」という意味です。
「la」は定冠詞単数女性形、「couleur」は女性名詞で、「色」「染料」「絵の具」「ペンキ」といった意味です。
「couleur de +(名詞)」は「~の色」を表し、形容詞のように使われます。
「son」は所有形容詞3人称単数男性形で「彼の」「それの」、「costume」は男性名詞で「(ある地方・時代・階級などに特有の)衣装」「スーツ」という意味です。
背景を見てみると
王子さまという友だちを忘れないために、語り手の男性は、あえて悲しいお話しをすることにしました。
王子さまの絵を描くために、男性は鉛筆や色鉛筆を買いそろえたものの、6歳の時にボアヘビを描いただけで、それ以降は絵を描くことを止めてしまったので、絵には自信がないようです。
今回のフレーズでは、自信がないことへの具体的な根拠の1つが明かされています。
「hésiter」
背景にあるように、6歳の時に絵を描くのを止めてしまった語り手の男性は、自分の絵に自信がないのですが、それをよく表しているのが「hésiter」という動詞です。
先ほどもご紹介した通り、「hésiter」には「ためらう」「躊躇する」「尻込みする」という意味があり、今回のフレーズではそのままの意味で使われています。
「(王子さまの)衣装の色についてもためらっている」、つまり男性の自信のなさがよくわかるフレーズです。
「hésiter」の使い方
そして「hésiter」を否定表現と一緒に使うと、冒頭で触れた思いやりの心を表すことができます。
その際に便利なのが、「hésiter à +(動詞の原形)」という形で、「~するのをためらう」という意味です。
これを否定するので、「n’hésiter pas à +(動詞の原形)」になり、「~するのをためらわない」、要するに「遠慮しないで~する」という意味です。
注意ポイントは、否定の「ne」が省略形の「n’」になり、「hésiter」と一緒に発音することです。
よくある具体例
具体的な例としてよく使われるのは、「N’hésitez pas à me contacter.(遠慮なくご連絡ください)」です。
親しい間柄なら「hésiter」の活用形が変わるので、「N’hésites pas à me contacter.(遠慮なく連絡して)」になります。
そして「私に」ではなく「私たちに」にするなら、「N’hésitez pas à nous contacter.(遠慮なくご連絡ください)」になります。
注意点と最も簡単な使い方
なお、動詞の原形部分が母音から始まり、「私に」にする場合には、「me」の部分が省略形の「m’」になり、動詞の原形部分と一緒に発音されます。
「N’hésitez pas à m’appeler.(遠慮なくお電話ください)」
ただしこれが面倒なら、特に話し言葉の場合は、もっと簡単に言うことができます。
2つのフレーズに分けてしまうのです。
「Appelez moi !」「「N’hésitez pas !」という言い方です。
遠慮なくご連絡ください!
そして最後に、私からも皆さんにひと言。
「N’hésitez pas à me contacter !(遠慮なくご連絡ください!)」
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