80パーセントは大丈夫、の時に
何かの誘いを受けた時、100パーセント行ける状態ならいいのですが、そうではないかもしれないのに「行く」と言ってしまい、結果的にウソをつくことになった経験はありませんか?
そういう場合に、ウソにならずにすむ言い方をご紹介します!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Alors seulement elles croient le connaître.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の中ほどにあります。
第4章の3枚目の挿絵のすぐ後の段落にあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「alors seulement elles croient le connaître」
「alors」は「その時」「それなら」「それだから」などという意味です。
「seulement」は「~だけ」「たった今」「ただし」という意味ですが、「alors seulement」で「その時初めて」「そうして初めて」になります。
「elles」は「彼女たち」「それら」、「croient」は「~を本当だと思う」「~を信じる」という意味の「croire」の活用形(現在形)です。
「croire +(動詞の原形)」で「~するような気がする」「~すると思う」になります。
ここでの「le」は、直後に名詞がないので、3人称代名詞単数男性形の直接目的です。
「connaître」は動詞の原形で、(人または物事を)「知る」「知っている」などの意味です。
背景を見てみると
語り手の男性は、王子さまの星だと考える小惑星、B612の発見にまつわる話しから、大人たちの性質へと、話題がシフトしています。
大人たちは物事の本質を見ようとしないので、例えば新しい友だちについて話すなら、その人の年齢や体重、果ては父親の収入など、数字にしか興味がありません。
語り手の男性は、数字をたずねる大人たちの質問の例の後に、今回のフレーズで結論を述べています。
ここでの「elles」と「le」
さて、ここでの「elles(彼女たち/それら)」は、「les grandes personnes(大人たち)」のことです。
複数女性形になっているのは、「les grandes personnes(大人たち)」のうちの名詞部分「personnes」が複数の女性名詞だからです。
そして先ほどここでの「le」は、直後に名詞がないので、3人称代名詞単数男性形の直接目的だとご紹介しました。
背景にある通り、今回のフレーズの直前には大人たちがするであろう、新しい友だちがどんな人なのかを知るための質問の例があります。
ここでの「le」は、この「un nouvel ami(新しい友だち)」のことです。
「un nouvel ami(新しい友だち)」の名詞部分「ami」が単数の男性名詞なので、単数男性形の「le」が使われています。
ニュアンスが変わる!
以上を踏まえて、今回のフレーズの後半部分「elles croient le connaître」を考えると、「大人たちはその友達のことを知っているような気がする/知っていると思う」という意味になります。
「croire +(動詞の原形)」で「~するような気がする」「~すると思う」になるからなのですが、主語を「je(わたし)」にすると、場合によってはかなりニュアンスが変わります。
便利すぎる返事
例えば、「来週のバーティー、おもしろそうなんだけど、行かない?」と誘われたとします。
「croire +(動詞の原形)」と一緒に「y(そこ)」「aller(行く)」を使って言うなら、「Je crois y aller.(行くと思う)」になります。
また、時間があるかどうかが確かではない時に「掃除をしておいてくれない?」と頼まれた場合にも便利です。
同じく「croire +(動詞の原形)」と一緒に「le(それ)」「faire(する)」を使って、「Je crois le faire.(やるつもり)」。
ただしこのフレーズ、やる気のない人が返事としてよく使う手でもあるので、普段から信用されていない人が言うと、「またか!」と思われてしまいますよ!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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