海外でのバイリンガル教育
一般的にバイリンガル教育というと、日本での英語教育について語られますが、海外在住だと、主に日本語教育で苦労します。
両親とも日本語を話すなら、「外ではフランス語だけれど、家では日本語」という環境にできるので、かなりラクです。
でも、片方の親は日本語・もう片方はフランス語などの現地語を話す場合、子どもの成長に伴い、やっかいな時期が訪れることがほとんどです。
我が家で起きた実例をもとに、どのように乗り越えたのかをお話しします。
当時の我が家
私はフランス語しか話さない夫と結婚し、フランスの田舎で子どもを授かりました。
妊娠中から「生まれてくる子どもには、日本語で話そう」と決めていたので、子どもに対して、主人はフランス語・私は日本語で話しました。
夫婦間の会話はフランス語です。
当時主人の仕事が大変に忙しかったため、ほぼワンオペ育児でした。
子どもと私の2人で過ごす時間が長く、日本語教育という意味では有利でした。
状況が一変!
状況が一変したのは、子どもがちょうど3歳で入園して3週間ぐらい後のことでした。
ある日突然、「pied(足)が痛い」と言ったのです。
「え?」と聞き返しても、同じことを繰り返します。
とりあえずは、「そう、足が痛いのね」と言いながら足の痛みの面倒を見ました。
子どもが痛がっているのを放っておくわけにはいかないので…。
とうとうこの日が!
それでも、私の頭の中はパニックでした。
「ああ、とうとうこの日がやって来たか!」と思いながら、痛みを和らげるためのクリームを塗ったのを覚えています。
そして痛みが治まった頃に、『さっき「pied」って言ったのは、面倒くさかったからよね?』と聞くと、子どもはうなづきます。
やはり「ここが肝心だ!」と思いました。
とっさの知恵
ここで、日本にいる私の両親は日本語しか話さないこと、子どもは両親がたまに送ってくれるアメが好きなことを思い出しました。
3歳になったばかりの子どもなので、まだ効果があるだろうと思いながら、次の3点を説明しました。
- おじいちゃん・おばあちゃんに「pied」と言っても、わからないこと。
- 日本語とフランス語を混ぜればラクだが、ラクをすれば日本語が話せなくなってしまうかもしれないこと。
- 日本語が話せなくなれば、「アメを送って」が言えなくなるかもしれないこと。
子ども自身が気をつけるように!
幸い、まだ3歳になったばかりなので、決して押し付けにならないように気をつけ、噛んで含めるように話した結果、納得してくれました。
それでもこの後数回ほどは、「piedが痛い」の別バージョンを聞くことになりましたが、その都度「もうアメを頼めなくなっちゃうよ~」とやんわり言うだけで、子ども自身が気をつけるようになりました。
努力を認めてあげよう!
私が子育てをしたのはフランスの田舎だったので、使える方法は限られていました。
パリなど、日本人とのつながりがある場所での子育てなら、他のやり方もあるかもしれません。
大事なのは、子どもの信頼関係を裏切るようなウソをついたりせず、小さなことでもいいので、子ども自身にも得になることを見つけて、努力を促すことだと思います。
そして時々、チャンスを見つけては、ほめてあげるようにしました。
頑張っていることを認めてもらっているというだけで、継続の力になったようです。
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