王子さま、怒る
今回のフレーズは王子さまのセリフですが、かなり頭にきている様子です。
1番大切な存在を無視されてしまったのですから、それも当然。
誰にも言えなかったことを言ったのに、なかったことにされたら、誰でも怒りたくなりますよね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Pourquoi ça ! c’est le plus joli !」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第15章の後半にあります。
王子さまのセリフです。
「pourquoi」
「pourquoi」は、「なぜ?」「どうして?」という意味です。
「ça」
「ça」は代名詞で、本来は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。
また、「あれ/それ」という意味を超えて、ただ単に感情の起伏を表すために使われることもあります。
「c’est」
「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être動詞の活用形「est」が合わさった形です。
意味は「これ(それ・あれ)は~です」。
「le plus」
「le plus」は、「le plus +(形容詞)」という形にすることで、「最も~な」「1番~な」という意味です。
「le」は、定冠詞の男性・単数、「plus」は「より多く」を表す副詞です。
「joli」
「joli」は形容詞で、「きれいな」「かわいい」「すてきな」などという意味です。
人・物の両方に使われます。
女性形は「jolie」ですが、発音は変わりません。
背景を見てみると
地理学者は、王子さまが遠方からやってきた探検者だと認め、王子さまの星について聞き取りをしています。
王子さまは、星が小さいこと、火山が3つあることなどの後、バラの花について話します。
ところが地理学者は、王子さまにとって1番大切なバラの花に関しては、記録に残さないと言うのです。
そして、今回のフレーズになります。
無視されて黙ってはいられない
地理学者に会うまで、たくさんの人に会い、いろいろな経験をしてきた王子さまですが、自分の星に残してきたバラの花については、それまで人に話したことがありませんでした。
バラの花のことを忘れたわけではなかったのでしょうが、話すべき人に会わず、そのチャンスもなかったのでしょう。
自分の星を語るにあたって、何よりも大切なバラの花を無視されてしまい、かなり頭にきた様子です。
なにしろ、バラの花は王子さまにとってアキレス腱のようなものですからね!
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント