友だちの選び方がわかる!
人をおとしめる方法など、知る必要はありませんが、もしもあなたの話し相手がこんなことを言ってきたら、すぐに距離を置くことをおススメします。
いわゆる、マウントを取りたいのでしょうが、かなり自然なので、気づきにくいかもしれません。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Le géographe est trop important pour flâner. 」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第15章の中ほどにあります。
地理学者のセリフです。
「le géographe」
「le」は、定冠詞男性形単数です。
「géographe」は、「地理学者」という意味の名詞です。
職業の名前なので、男性の地理学者なら「un géographe」に、女性の地理学者なら「une géographe」になります。
「est」
「est」は、être動詞の活用形です。
「trop」
「trop」は「あまりに」「非常に」の意味です。
「trop + 形容詞(または副詞)」の形でよく使われます。
「important」
「important」は、
- 「重要な」「大きな」という意味。
- 女性形は「importante」で、語尾の発音が変化。
- 英語の「important」も「重要な」だが、英語に「大きな」という意味はない。
- フランス語の「important」を「大きな」という意味で使うのは、規模や数量に対してのみ。
「pour」
「pour」は前置詞で、いろいろな意味を持つのですが、「~のために」「~の理由で」「~にとっては」などが代表的です。
「flâner」
「flâner」は動詞の原形で、「ぶらぶら歩く」「のらくらする」という意味です。
背景を見てみると
王子さまにとって期待はずれの地理学者は、専門家のくせに、自分の星の地理を何も知りません。
でも、王子さまがどんなにがっかりした様子でも、なじるような言い方をしても、我関せずとばかりに冷静です。
聞かれたことに淡々と答えながら説明していて、そのうちの1つが今回のフレーズです。
ここでの「pour」
「pour」の代表的な意味は「~のために」なのですが、今回のフレーズでは無理があります。
今回のフレーズは、「Le géographe est trop important」の部分で「地理学者はあまりにも重要だ」と言っています。
なので「ぶらぶら歩くために」よりは、「pour」を「~には」と捉えて、「ぶらぶら歩くには」の方が自然です。
友だちにはなれない相手
この地理学者は、たとえば第10章の王様のように、わかりやすくは偉ぶっていないのですが、探検の旅を続けている人たちのことを「ぶらぶらほっつき歩いている」とでも言いたげです。
王子さまのように、自分の知りたい情報を得たら、すぐに離れるのが正解。
それにしても、地理学者に会えてかなり喜んでいた王子さまにとっては、かわいそうな結果でしたね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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