53 長いフレーズの扱い方 Il est bien plus difficile de se juger soi-même que de juger autrui.

その他(王子さま)

長いフレーズの扱い方 

今回のキーワードは「plus ~ que ~」。 

比較の表現です。 

多少長いフレーズでも、こうしたキーワードを知っていることで、言葉のかたまりを見つけやすくなります。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「Il est bien plus difficile de se juger soi-même que de juger autrui.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第10章の中ほどから後半に差しかかったところにあります。 

第10章では、王子さまと、訪問先の偉ぶった王様との会話が続きます。 

今回のフレーズは、前回(第52回)「C’est le plus difficile.」の直後にあり、王様のセリフです。 

「il」 

「il」は3人称代名詞単数で、「彼」を表すのですが、モノやコトを受けて「それ」の意味になることもあります。 

このフレーズでの「il」は、特に意味を持ちません。 

「est」 

英語の be動詞に相当する、être動詞の3人称単数の活用形。 

「彼」「彼女」などが主語になり、意味は「~です」に当たります。 

「bien」 

「bien」は、副詞です。 

「よく」「正しく」「非常に」「本当に」などの意味があります。 

「plus ~ que ~」 

「plus」 は、「plus +(形容詞)」の形で「より多く」という意味です。 

そして比較する対象は、「que」の後に来るもので示されます。 

後で深掘りしますね。 

「difficile」 

「difficile」の意味は「難しい」「困難な」で、形容詞です。 

女性形であっても、形が変わりません。 

「de」 

「de」は前置詞で、いろいろな使い方がされます。 

今回は形容詞の後につくことで、補語を導いています。 

「se」 

「se」は3人称代名詞単数で、「彼(彼女)」「彼自身(彼女自身)」を表すのですが、モノやコトを受けて「それ(自身)」の意味になることもあります。 

後ろに動詞が来ると、「自分を~する」「自分に~する」などの意味になります。 

「juger」 

「juger」は動詞の原形でで、「(人を)裁く」「(人・物事を)判断する」という意味です。 

今回は1フレーズの中に2回も登場しますが、「se juger」は「自分を裁く」「自分を評価する」という意味になります。 

「soi-même」 

「soi-même」は、「自分自身」という意味です。 

「autrui」 

「autrui」の意味は「他人」「他の人々」です。 

言葉のかたまりを見てみると 

「Il est bien plus difficile de se juger soi-même que de juger autrui.」という少々長いフレーズですが、3つにわけることができます。 

「Il est bien plus difficile」、「de se juger soi-même」、「que de juger autrui」の3つです。 

「Il est bien plus difficile」 

「plus ~ que ~」 で「より多くの」なので、「~よりとても難しい」ということですね。 

「~より」で比較しているのは、この後に出てくる「que」より後ろの部分です。 

「de se juger soi-même」 

この部分は、本来主語になるところで、長いので「il」に変えています。 

「自分自身を裁く」という意味ですね。 

「que de juger autrui」 

この部分が比較対象になっています。 

「他人を裁く」ということですね。 

「le plus」と「plus ~ que ~」 

前回(第52回)、「le plus +(形容詞)」で「最も~な」「1番~な」をご紹介しました。 

今回の「plus +(形容詞)+ que ~」は「~より多く~」という意味です。 

「plus」と形容詞という組み合わせですが、「le plus +(形容詞)」は最上級、「plus +(形容詞)+ que ~」は比較と覚えておくと、混乱しません。 

生まれ変わってほしい王子さま 

王様は「自分自身を裁くのが最も難しい」と言い、今回のフレーズになるのですが、意図するのは哲学を語ることではなく、王子さまを引き留めること。 

これに対して王子さまは、そばで聞いていたらスカッとしそうなことを言うのですが、その部分はもう少し後で扱います。 

王子さまが今の現実世界にいたら、訳の分からない理屈ばかり並べる王様のような権力者にピシャっと言い返してくれそうです。 

小さな星ではなく、大きな国の指導者として、登場してほしいものです! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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