403 お願いの内容がハッキリしているなら! Fais-moi ce plaisir.

動詞

似ているけどちょっと違うお願い

今回のフレーズは、親しい間柄でのお願い表現です。

ただしよく使われる、お願いの慣用表現とは、若干異なる部分があります。

何がどう違うのか、また、文法的に間違えやすいポイントもご紹介します。

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Fais-moi ce plaisir.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第11章の終わりから4行前にある見栄っ張りな男のセリフです。 

「fais-moi ce plaisir」 

「fais-moi」は「~を作る」「~をする」という意味の「faire」の命令形「fais」と「je(わたし)」の強勢形「moi」がハイフンでつながれたものです。

命令形に1人称や2人称の人称代名詞がつく場合には、ハイフンで強勢形をつなぐことになっています。 

「(命令形)-moi」または「(命令形)-toi」ということですね。 

「ce」は「この」、「plaisir」は「喜び」「楽しみ」という意味の男性名詞です。

「faire plaisir à +(人)」で「(人)を喜ばせる」という意味になります。

背景を見てみると 

王子さまが2番目に訪問したのは、見栄っ張りな男が1人で暮らす小さな星でした。

この見栄っ張りな男にとって、星にやって来る人は、すべて彼の崇拝者なのでした。

男は王子さまに拍手をさせては挨拶を返すことを繰り返し、王子さまも面白がって付き合っていました。

でも男は、王子さまが本当に自分に敬服しているのかが不安になったようです。

小さな星に1人で暮らしているにもかかわらず、何でも自分が一番だとほめられたい男がこっけいだと思った王子さま。

今回のフレーズは、こっけいな男がこっけいなお願いをしている部分です。

2種類の慣用表現

さて前述通り、このフレーズの「fais」は命令形で、「faire plaisir à +(人)」が「(人)を喜ばせる」という意味です。

「fais」は親しい人への命令形なので、「~して」「~しろ」に相当する表現です。

なので直訳すると「わたしを喜ばせて」「わたしを喜ばせろ」ということになります。

このフレーズによく似た表現に「Faites-moi plaisir.」があり、このシリーズの第382回で扱っています。

詳細はそちらにゆずりますが、両方とも命令形を使ったお願いで、「自分のためにこれをしてほしい」という少し強引な依頼です。

「Fais-moi plaisir.」を和訳するなら、多少は強引さの出る「お願いだから」や「頼むよ」になると思います。

もう1つの違いとは?

第382回の「Faites-moi plaisir…」と今回のフレーズ「Fais-moi ce plaisir.」で大きく異なるのは、「faire」の命令形の部分です。

「faites」はていねいな命令形で「~てください」に相当する表現、「fais」は親しい人への命令形で「~して」「~しろ」になります。

そしてもうひとつは、「plaisir(喜び)」という名詞に「ce(この)」が付いているかどうかという違いもあります。

慣用表現との違い

実はこのタイプのお願いでよく使われているのは「Faites-moi plaisir.」や「Fais-moi plaisir.」の方です。

この慣用表現の場合は、ていねいか親しい間柄かという違いはあるものの、ハッキリとした内容を指定せずに「お願いですから」や「頼むから」と言っています。

それに対し、今回のフレーズ「Fais-moi ce plaisir.」に「ce(この)」がついているのは、このセリフの話者である見栄っ張りな男が、お願いごとの内容をハッキリと指定しているからです。

つまり男は「この願いをかなえてくれよ」と言っているわけです。

文法的にNGなのは?

なお、お願いの内容をハッキリさせたいからと言って、定冠詞をつけることはできません。

「Fais-moi ce plaisir.」の「ce」を「le」にすることはできないということです。

理由は、「ce plaisir」なら話し手が意識している具体的な行為を指しているのに対し、「le plaisir」だと一般的な「喜び」や「概念的な喜び」を指しているからです。

つまり「Fais-moi ce plaisir.」の「ce」を「le」にしてしまうと、「喜びを頼むよ」とというような、不自然な言い方になるのです。

今回のフレーズは見栄っ張りな男のセリフで、彼の言う「ce plaisir」とは、「拍手をしてほめたたえること」です。

「ce plaisir」の表す具体的な行為は、かわいらしくもバカらしくもある行為でしたね!

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました