旅行中にも!
前回(第358回)に引き続き、今回のフレーズも、日常会話でとてもよく使われる表現によく似ています。
フランス語圏の観光地を周る旅行中なら、ひょっとすると1日に何回も使うかもしれません。
ただし今回のフレーズをそのまま言ってしまうと、相手に「あれ?」と驚かれてしまうかもしれないので、応用バージョンの方を覚えてくださいね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Je n’en veux plus.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは第9章後半の会話部分にある、バラの花のセリフです。
「je n’en veux plus」
「je」は「わたし」、「n’en」は「ne」の省略形「n’」と「en」が合わさったもの、「veux」は「vouloir」の活用形(現在形)です。
「vouloir」は人が主語で、「~を望む」「~を欲する」という意味になります。
なお、否定の「ne(の省略形 n’)」は「もはや~ない」という意味の「ne ~ plus」の一部です。
背景を見てみると
旅立ちの朝、王子さまはバラの花に別れを告げました。
わがままで見栄っ張りなバラの花は、時にはウソをついて自分のことを大きく見せようとしたりしていましたが、急に自分の気持ちを打ち明けて謝罪までします。
そんなバラの花は、それまでいろいろな要求をしていたのですが、その中には自分を寒さから守ってくれる、ガラスの球状のカバーがありました。
今回のフレーズでは、このカバーについて言及しています。
理解のポイント
今回のフレーズを理解するための一番のポイントは、中性代名詞の「en」です。
この中では「n’en」という形で、「ne」の省略形「n’」と合わさっているので、つい見落としてしまいそうです。
そもそも短い単語で「n’en」のように合わさりますし、おまけに和訳すると意味が消える場合が多い存在なので、あってもなくても変わらないように感じられるかもしれません。
でも、きちんと向き合えば、意外に便利な存在ですし、フランス語ネイティブたちはよく使うので、これがわかっていないと誤解の元になる可能性すらあります。
日本語との違い
日本語は極端なまでに同じ言葉の繰り返しを嫌う言語なので、他の言語に比べるとかなり大胆に単語の省略をします。
フランス語でも繰り返しは避けようとしますが、日本語のように何も残さずに省略しようとはせず、中性代名詞などの「省略の合図」を残したりするのです。
なので和訳すると意味が消えるからと言って、やはり無視することはできません。
今回のフレーズの意味
中性代名詞の「en」については、このシリーズの第355回で2つの使い方をご紹介していますが、今回のフレーズでは、そのうちの2番目の「省略の合図」として使われています。
背景にある通り、このフレーズではガラスの球状のカバーについて話しているのですが、「en」はこのカバー(フランス語では「globe」)を指しています。
つまり今回のフレーズは、普通に和訳するなら「もう要らない」です。
フランス語に忠実に「en」を意識するなら「もうそれは要らない」になります。
そしてその意図するところは、「もうそのカバーは要らない」ということなのです。
旅行中の使い方
この「en」、旅行中に使う可能性がある場面としては、しつこい客引きなどに対してです。
前回(第358回)は「放っておいてください」という言い方をご紹介しましたが、今回のフレーズを応用すると「それは要りません」と言うことができます。
ただし今回のフレーズ「Je n’en veux plus.(もう要りません)」をそのまま言うと、それまでは何らかの付き合いがあったのに「もう要らない」という意味になってしまいます。
なので、初対面の客引きなどに対しては、「ne ~ plus(もはや~ない)」の代わりに、シンプルな否定表現である「ne ~ pas(~ない)」を使います。
- Je n’en veux pas.
(要りません)
「plus」を「pas」にするだけなので、簡単ですね!
目の前に広げられている商品はもちろん、提案されたサービスのように目に見えないモノでも、「すでに話題になった対象」に対して、「en」を使います。
「放っておいてください!」「要りません!」と大きな声で言うことで、しっかり意志を見せて断りましょう!
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント