341 復習や確認に! Ils peuvent venir, les tigres, avec leurs griffes !

その他(王子さま)

復習してみよう!

今回のフレーズには、これまでこのシリーズでご紹介してきた内容が、たくさん詰め込まれています。 

わからなかったり、忘れていたりする内容がありましたら、過去回をご参照くださいね! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Ils peuvent venir, les tigres, avec leurs griffes !」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第8章の3枚目の挿絵の直前にある、バラの花のセリフです。 

「ils peuvent venir, les tigres, avec leurs griffes」

「ils」は「彼ら」「それら」、「peuvent」は「pouvoir」の活用形(現在形)です。 

「pouvoir」は、「pouvoir +(動詞の原形)」の形でよく使われます。 

人が主語で「~することができる」「~してもいい」、人やモノが主語で「~するかもしれない」「~する可能性がある」という意味になります。 

動詞の原形部分は「来る」という意味の「venir」です。 

「les」は定冠詞複数形、「tigres」は「トラ」という意味の男性名詞「tigre」の複数形です。 

「avec」は「~と一緒に」「~を持って」「~を使って」など、「leurs」は所有形容詞3人称複数で「彼らの」「彼女たちの」「それらの」、「griffes」は(獣などの)「ツメ」「鉤爪」という意味の女性名詞「griffe」の複数形です。 

背景を見てみると

遠く離れた地球の、それも人里離れた砂漠で、王子さまは自分の星に残してきた1輪のバラの花を思っています。 

ある朝花開いたバラと出会い、王子さまはすぐにその美しさに夢中になりました。 

今回のフレーズは、見栄っ張りなバラの言葉です。 

ここでの「ils」

このフレーズの「ils(彼ら/それら)」は「les tigres(トラたち)」です。 

トラが複数なので、複数の「ils」が使われ、「pouvoir」の活用形も複数になっています。 

今回のフレーズ「Ils peuvent venir, les tigres, avec leurs griffes !」は、「Les tigres peuvent venir avec leurs griffes !」と言い換えることができます。 

所有形容詞「leurs」

「leurs(彼らの/彼女たちの/それらの)」は、3人称複数の所有形容詞です。 

詳細はこのシリーズの第99回でご紹介しています。 

今回のフレーズに影響しているのは、次の2点です。 

  • 形容詞なので、後ろにつく名詞の性や数によって変化する。 
  • 複数形には男女の違いがない。 

つまり、トラが複数だからではなく、ツメが複数だから「leurs」が複数になっているということです。 

いろいろなツメ

「leurs(彼らの/彼女たちの/それらの)」はもちろんトラのことなので、「leurs griffes」はトラの爪のことです。 

見栄っ張りなバラは、「トラなんて怖くない」と言いたかったのですが、どうやらバラが怖がっているのは、トラのキバではなく、ツメのようですね。 

ちなみに、人間のツメは「les ongles」です。 

「les griffes」はトラやライオンだけでなく、ネコのツメにも使います。 

ネコのツメなら「les griffes de chat」になります。 

ここでの「pouvoir」

このフレーズの「peuvent」原形「pouvoir」は、「~するかもしれない」「~する可能性がある」という意味です。 

バラの花は「トラが来るかもしれない(けれど、怖くはない)」と言いたいようです。 

意味が多い「avec」

「avec」を辞書で引くと、先ほどご紹介した「~と一緒に」「~を持って」「~を使って」の他にもたくさんの意味が並んでいます。 

このシリーズの第311回で扱いましたが、「avec」は「~と一緒に」「~とともに」と捉えられる言葉です。 

なので「トラは爪とともに来るかもしれない」ということですが、それはつまり「(恐ろしい)爪を持ったトラが来るかもしれない」という意味です。 

変わり者動詞「venir」

ところで、このフレーズにある「venir(来る)」は、このシリーズの第200回でご紹介した「17の変わり者動詞」の1つです。 

「17の変わり者動詞」というのは、私が勝手に命名したものですが、過去を表す時に「être」を使う17の動詞のことです。 

今回のフレーズでは「pouvoir」の後の原形で使われていますが、このフレーズを「爪を持ったトラがやって来た」という過去表現にする場合には、通常の「avoir + 過去分詞」の形ではなく、「être + 過去分詞」にする必要があります。 

過去表現の場合

では、今回のフレーズを過去表現にしてみます。 

  • 今回のフレーズ 
    「爪を持ったトラが来るかもしれない」 
    Ils peuvent venir, les tigres, avec leurs griffes ! 
  • 過去表現に 
    「爪を持ったトラがやって来た」 
    Ils sont venus, les tigres, avec leurs griffes ! 

注意点

「venir」を過去表現にする時のポイントは 

  • 「avoir」ではなく「être」プラス過去分詞の「venu」 
  • 主語によって「venu」の語尾が変わる 

という2点です。 

このフレーズでは主語が複数男性形なので「venus」になっていますが、単数女性形なら「venue」、複数女性形なら「venues」になります。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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