328 口ぐせのネイティブも多い表現! Il y a des millions d’années que les moutons mangent quand même les fleurs.

その他(王子さま)

話し言葉でよく使われる

今回のフレーズにある「quand même」は副詞句で、話し言葉でよく使われます。 

複数の意味がありますが、これが口ぐせになっているネイティブも多い表現です。 

場面ごとの使用例とともに、使用する場合の注意点もご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Il y a des millions d’années que les moutons mangent quand même les fleurs.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の後半にある王子さまのセリフです。 

「il y a des millions d’années que les moutons mangent quand même les fleurs」

「il y a ~」は「~がある」「~がいる」などの意味で、基本的に人・モノの存在を表します。 

「des」は不定冠詞複数形、「millions」は「1,000,000(百万)」を意味する「million」の複数形です。 

「des millions de ~」という形で、「何百万の~」という意味になります。 

「d’années」は前置詞の「de」の省略形「d’」と「年」という意味の「anné」の複数形「années」が合わさったものです。 

この前置詞「de(d’)」は、「des millions de ~(何百万の~)」の一部です。 

ここでの「que」は接続詞、「les」は定冠詞複数形、「moutons」は「羊」という意味の男性名詞「mouton」の複数形です。 

「mangent」は「食べる」という意味の「manger」の活用形(現在形)です。 

「quand même」の詳細については後述しますが、「quand même」という形はよく使われる表現で、「quand」と「même」を別々に捉えないように注意してください。 

「des」は不定冠詞複数形、「fleurs」は「花」という意味の女性名詞「fleur」の複数形です。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、2人は険悪な状況になってしまいます。 

王子さまは、ある星で出会った他の男性について語ることで、男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

「quand même」の意味と使い方

さて冒頭で触れた通り、副詞句の「quand même」には複数の意味があります。 

一般的には「それでも」「やっぱり」「いずれにしても」「にもかかわらず」という意味ですが、使い方によってニュアンスが変わることがあります。 

基本的な使い方

基本的には、「逆説」と「驚き」の2種類で使われます。 

  • 逆説 
    例: Il fait froid, mais je vais quand même sortir. 

    (寒いけど、それでも外出するつもりだ) 

  • 驚き 
    例: Tu as quand même fini tout en une journée ! 

    (1日で全部を終わらせたなんてすごい!) 

発展的な使い方

ニュアンスを強調するために、話し言葉で使われることがあります。 

  • ちょっとした皮肉 
    例: C’est quand même bizarre, non ? 

    (それにしても、ちょっと変じゃない?) 

  • 非難 
    例: Tu exagères quand même ! 

    (さすがにそれはやりすぎだよ!) 

ここでの「quand même」

なお今回のフレーズでの「quand même」は基本的な使い方のうちの1つである「逆説」です。 

「Il y a des millions d’années que les moutons mangent quand même les fleurs.」は、「それにもかかわらず、羊は何百万年も花を食べてきた」という意味です。 

というのも、直前にある「Il y a des millions d’années que les fleurs fabriquent des épines.(花は何百万年もトゲを作ってきた)」というフレーズを受けているからです。 

直前のフレーズは、このシリーズの第327回で扱っていますので、ご参照ください。 

語順は?

ところで、「quand même」は動詞の後や文末に置かれることが多いのですが、文頭に置かれることもあります。 

  • 動詞の後 
    例: Je vais quand même essayer. 

    (やっぱり試してみる) 

  • 文末 
    例: Il est venu quand même. 

    (彼はやっぱり来た) 

  • 文頭 

  例: Quand même, il a bien travaillé. 

    (それでも、彼はよくがんばった) 

口ぐせが「quand même」人とは?

ちなみに、「quand même」は話し言葉で使われることがとても多い表現です。 

前述通り、口ぐせになっている人がいるほどで、中には会話中の相づちがほぼ毎回「quand même」ばかりの人までいます。 

この「quand même」だけの相づちを和訳するなら、「ああ、やっぱりね~!」になるのですが、日本語の「やっぱり」と全く同じとは言えません。 

なぜなら、「quand même」の使い方は「逆説」が基本になっているので、相づちとして使っても、やはりどこか非難めいたニュアンスがついて回ることがほとんどだからです。 

使用の注意点は?

それが最も現れているのが、先ほどご紹介した「Quand même, il a bien travaillé.(それでも、彼はよくがんばった)」という例文です。 

「がんばった」とほめている一方で、否定的な「quand même(それでも)」とつけていて、批判的な口調です。 

自分について使う場合の「Je vais quand même essayer.(やっぱり試してみる)」や 

いい意味での驚きである「Tu as quand même fini tout en une journée !(1日で全部を終わらせたなんてすごい!)」なら無制限に使えますが、その他は気をつけて使うべき表現でもあります。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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