317 ER動詞はまず単数形から! Tu parles comme les grandes personnes !

動詞

一番の基礎を覚えよう!

今回のフレーズの動詞「parler」は、フランス語の動詞の中で最も基本的な活用の仕方をする「ER動詞」と言われるものの1つです。 

動詞の活用は種類がたくさんありますが、一番の基礎になるのがこの形です。 

まずは単数形をしっかり覚えてしまいましょう! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Tu parles comme les grandes personnes !」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の中ほどにある王子さまのセリフです。 

「tu parles comme les grandes personnes」

「tu」は「きみ」、「parles」は「話す」という意味の「parler」の活用形(現在形)です。 

ここでの「comme」は「~のように」「~のような」という意味です。 

「les」は定冠詞複数形、「grandes personnes」は「大人」という意味の「grande personne」の複数形です。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、「花のトゲなんて何の役にも立たないし、ただ単に意地悪なだけだ」と言い放ちます。 

この言葉のせいで、2人は険悪な状況になってしまいます。 

王子さまは花の味方をするのですが、それどころではない男性は聞く耳を持ちません。 

今回のフレーズで王子さまは、男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

「parler」の現在形単数

さて、冒頭で触れた通り、ER動詞の1つである「parler」の現在形を見ておきます。 

ただし確実に覚えるため、単数形の部分だけをご紹介します。 

単数 1人称 je parle 
 2人称 tu parles 
 3人称 il/elle parle 
「parler」の現在形単数

発音は3つとも同じですが、今回のフレーズにある通り、2人称「tu」の活用形には「s」が足されます。 

発音が他の2つと一緒で忘れやすいので、今回のフレーズをそのまま覚えてしまうのもいいかもしれません。 

なお、ER動詞現在形すべての活用表は、このシリーズの第197回にあります。 

また複数形に関しては、後日扱う予定です。 

「大人」が複数である理由

では最後に、今回のフレーズの意味と背景を確認しておきます。 

「Tu parles comme les grandes personnes !」で、「君は大人たちみたいに話すんだな!」ということです。 

語り手の男性は大人なので、本来「大人みたいに話す」というのは当然です。 

ところが、どうやら王子さまは、この男性が6歳の頃から大人たちにあらがうように生きてきたのを、男性が話したわけでもないのに知っている様子です。 

「砂漠に墜落した」という絶体絶命のピンチを前に、大事なことを忘れかけてしまっている男性です。 

王子さまはこのひと言で男性の目を覚まさせようとしています。 

そのポイントは、「comme les grandes personnes(大人たちのように)」と、大人が複数形になっていることです。 

男性が子どもの頃に接した「大人」も、王子さまがいろいろな星で出会った「大人」も複数形で、「大切なことが見えていない人たち」でした。 

そして今回のフレーズの直後、男性は「少し恥ずかしくなった」と読者の私たちに説明しています。 

王子さまはこのフレーズの後、他にもたくさんの例を挙げているのですが、すでに男性の心には届いていたようです。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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