309 王子さまの気持ちを具体的に言うなら Oh ! Je ne te crois pas !

名詞

謎ルール発動!

フランス語には謎ルールがいくつも存在します。 

今回のフレーズには、語順に関する謎ルールの1つが使われていますが、同じ内容でも少し言い方を変えることによって、語順が変わります。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Oh !」と「Je ne te crois pas !」の場所と背景を確認しておきます。 

この2つのフレーズは、第7章の前半にあります。 

第7章前半の男性による説明部分を挟んだ前後にあるフレーズで、王子さまのセリフです。 

「oh」「je ne te crois pas」

「oh」は感嘆詞「おお」です。 

「je」は「わたし」、「te」は2人称代名詞単数の目的格で「きみを」または「きみに」、「crois」は「~を本当だと思う」「~を信じる」という意味の「croire」の活用形(現在形)です。 

「ne ~ pas」で否定表現「~ない」になっています。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答えてしまいます。 

挙句の果てには「花のトゲなんて何の役にも立たないし、ただ単に意地悪なだけだ」と言い放ってしまいます。 

その言葉に対する王子さまの反応が、今回のフレーズの「Oh !」であり、しばらく沈黙が続いた後の王子さまの第一声が「Je ne te crois pas !」です。 

語順に関する謎ルール

さて、冒頭で触れた「語順に関する謎ルール」とは、「目的語が代名詞になる場合は動詞の前に来る」というものです。 

このルールにより、「きみを」に当たる「te」が前に来ています。 

背景にあるように今回のフレーズは、男性の心無い言葉に対する王子さまの反応です。 

「Je ne te crois pas !」は「きみを信じない!」ということですが、王子さまが言いたいのは「きみの言うことを信じない」だと考えられます。 

「きみ」から「きみの言うこと」へ

なので「きみの言うこと」にするなら、「ta parole」にします。 

「parole」は「言葉」「発言」などの意味の女性名詞なので、「きみの」に当たる部分も男性形の「ton」ではなく、女性形の「ta」になります。 

なお、「parole」を複数形の「paroles」なら、「きみの」の部分も複数形になるので、「tes paroles」にします。 

具体的に言うなら

すると、「Je ne te crois pas !(きみを信じない!)」は「Je ne crois pas ta parole !(きみの言葉を信じない!)」または複数形の「Je ne crois pas tes paroles !(きみの言葉を信じない!)」になります。 

王子さまの気持ちを具体的に表せば、こうなりますよね? 

「目的語が代名詞になる場合は動詞の前に来る」ので、目的語が「te(きみを)」の時は動詞「crois」の前に置くのですが、「ta parole(君の言葉)」などになったら、動詞の後に置くことになるのです。 

「フランス語って、訳が分からない!」って思いますか? 

私もそう思います! 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました