278 大災害にも大小がある⁉ Mais, s’il s’agit des baobabs, c’est toujours une catastrophe.

名詞

意味が変わる?

今回のキーワードは「大災害」や「大惨事」などを意味する「catastrophe」です。 

でも本当にこの意味で使っているのかどうかは、もちろん場合によりますが、人にもよります。 

災害の名称とともにご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Mais, s’il s’agit des baobabs, c’est toujours une catastrophe.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第5章の後半にあります。 

第5章2枚目の挿絵から2つ目の段落にあるフレーズで、王子さまのセリフです。 

「mais, s’il s’agit des baobabs」

「mais」は「しかし」、「s’il」は「もしも」を表す「si」の省略形「s’」と人称代名詞3人称単数の「il」が合わさったものです。 

「s’agit」は再帰代名詞「se」の省略形「s’」と「agir」の活用形(現在形)「agit」が合わさった代名動詞です。 

「des」は前置詞「de」と定冠詞複数の「les」が合わさったもの、「baobabs」は「バオバブ」という意味の男性名詞「baobab」の複数形です。 

「c’est toujours une catastrophe」

「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、「être」の活用形(現在形)「est」が合わさったもの、「toujours」は「いつも」「常に」、「une」は不定冠詞単数女性形です。 

「catastrophe」は「大災害」「大惨事」「破局的なこと」という意味の女性名詞です。 

背景を見てみると

王子さまの星には恐ろしい種が存在しており、それはバオバブの種でした。 

バオバブは、早期の対処を怠ると巨大化してしまい、最悪の場合には星の滅亡につながります。 

王子さまは今回のフレーズの前で、やるべきことを先延ばしにしても支障がない場合もあると言っていますが、ことバオバブに関しては、それが当てはまらないようです。 

「il s’agit de ~」

ところで先ほどもご紹介した通り、今回のフレーズにある「des」には前置詞「de」が含まれているので、主に4つの使い方がある「il s’agit de ~」という形になっていることがわかります。 

そして文脈から、その中のうちの1つである「~に関することだ」という意味だと解釈できます。 

なお「il s’agit de ~」の詳細については、このシリーズの第263回を参照してください。 

「catastrophe」について

さて、世界的に見ても災害大国と言える日本では、残念ながら地震や津波などの大災害が起きてしまっています。 

フランスでも報道されており、その中で「catastrophe(大災害/大惨事)」という単語が使われることも多いです。 

「catastrophe」という単語には、「大災害」だけでなく「(人為的に起きた)大惨事」という意味も含まれます。 

なので「自然災害」という意味で「catastrophes naturelles」という言葉がよく使われます。 

こうした大災害の場合、地震に伴う津波や嵐に伴う洪水など、複数の自然現象が一度に起きることが多いので、「catastrophes naturelles(自然災害)」は複数形です。 

なお「catastrophe」が女性名詞なので、形容詞「naturel(自然の)」も複数女性形になっています。 

災害の名称

各災害の名称をご紹介します。 

名称には、それぞれ単数の不定冠詞をつけました。 

男性名詞には「un」、女性名詞には「une」がついています。 

  • 地震:un tremblement de terre 
  • 津波:un tsunami 
  • 竜巻:une tornade 
  • 火事:un incendie 
  • 洪水:une inondation 

「tsunami(津波)」は、もちろん日本語由来の名称です。 

「manga」「anime」や「judo」などは、日本人として嬉しくも誇らしくもありますが、「tsunami」がフランス語として使われているのを耳にすると、毎回ため息をついてしまいます。 

「C’est une catastrophe !」

最後に、うちの近所のおじさんの口ぐせをご紹介します。 

それは今回のキーワード「catastrophe」を含んだ「C’est une catastrophe !」です。 

なぜこれをご紹介するのかというと、彼のこのフレーズは日本語の「ああ、大変だ!」に近いからです。 

恐ろしく話し好きなこのおじさんは、何かにつけてこのフレーズを叫ぶので、わずか数分の会話でも何回かは口にしています。 

ただ単に「C’est une catastrophe !」と言うだけの場合もあれば、「Oh lalala ! C’est une catastrophe !」や「Oh mon Dieu ! C’est une catastrophe !」などとエスカレートするケースもあります。 

ちなみに「Oh mon Dieu !」の「Dieu」は神様のことで、英語圏の人が言う「Oh my God !」のフランス語版です。 

急いでいる時に彼に鉢合わせしてしまうと最悪で、こちらの方がこれを叫びたいぐらいです…。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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