261 2種類の「de」に注意! Par conséquent de bonnes graines de bonnes herbes et de mauvaises graines de mauvaises herbes.

その他(王子さま)

サクッと覚えよう!

今回のフレーズには2種類の「de」が使われているのですが、1つは例外的な使い方です。 

ルールによってあるモノから変化した結果なので、知らないと使えず、混乱するかもしれません。 

このフレーズで、サクッと覚えてしまいましょう! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Par conséquent de bonnes graines de bonnes herbes et de mauvaises graines de mauvaises herbes.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第5章の中ほどにあります。 

第5章2枚目の挿絵の直前にある段落の2番目のフレーズで、語り手の男性の説明部分です。 

「par conséquent de bonnes graines de bonnes herbes et de mauvaises graines de mauvaises herbes」

重複している単語は、まとめてご紹介します。 

「par conséquent」は「したがって」「それゆえ」という意味です。 

「bonnes」は「よい」「優れた」「好ましい」などの意味の「bon」の複数女性形、「mauvaises」は「悪い」「粗悪な」「いやな」などの意味の「mauvais」の複数女性形です。 

「et」は「そして」、「graines」は「(植物の)種」という意味の女性名詞「graine」の複数形、「herbes」は「草」という意味の女性名詞「herbe」の複数形です。 

背景を見てみると

王子さまは自分の星の厄介者、バオバブの木について話し始めました。 

語り手の男性に羊の絵を描いてもらったのも、羊に小さなバオバブを食べてもらうためでした。 

今回のフレーズがある段落で、語り手の男性はまず一般論として、植物がどのように地上に姿を現すのかを説明しています。 

この直前では、「よい草と悪い草」が存在していることに触れています。 

そしてこのフレーズの直後では、「(地上から見た場合には)植物の種は目に見えない」と言っています。 

単純な内容

ところで、今回のフレーズには動詞がありませんね。 

比較的長いのですが、同じ単語が繰り返し使われており、主語・述語がないので、本来はフレーズと呼ぶべきではないかもしれません。 

なお、「よい」「優れた」「好ましい」などの意味の「bon」と、「悪い」「粗悪な」「いやな」などの意味の「mauvais」は対義語です。 

「よい草のよい種と悪い草の悪い種」というだけの内容です。 

基本的で特殊な形容詞

「bon(よい/優れた/好ましい)」と「mauvais(悪い/粗悪な/いやな)」は、意味からもわかる通り、基本的な形容詞です。 

ただし2つとも、特殊な形容詞です。 

というのも、ほとんどの形容詞は名詞の後につくのですが、この2つは名詞の前につくからです。 

形容詞なので、名詞の性や数に応じて変化するのですが、変化の仕方が違います。 

男性名詞は「男の子」などの意味の「garçon」、女性名詞は「女の子」などの意味の「fille」をつけて、それぞれ単数・複数をご紹介します。 

「bon」の変化 

「bon」は女性形になると「bonne」になり、発音も変わりますが、複数形は語尾に「s」をつけるだけで、単数形との発音の差はありません。 

  • bon garçon 
  • bons garçons 
  • bonne fille 
  • bonnes filles 

「mauvais」の変化 

「mauvais」は女性形になると「mauvaise」になり、発音も変わりますが、語尾が「s」で終わっているので、男性形の場合は変化しません。 

女性形のみ語尾に「s」をつけますが、単数形との発音の差はありません。 

  • mauvais garçon 
  • mauvais garçons 
  • mauvaise fille 
  • mauvaises filles 

2種類の「de」

さて冒頭で触れた通り、今回のフレーズには2種類の「de」があります。 

「よい」と「悪い」の繰り返しになっているので、「よい」部分を抜き出すと: 

de bonnes graines de bonnes herbes」になります。 

この部分の意味は、先ほどもご紹介した通り「よい草のよい種」です。 

ここでは便宜上、始めにある「de」を「de ①」に、次の「de」を「de ②」とします。 

特殊な「de」

この2つのうち、特殊なのは「de ①」の方です。 

「de ②」は、これまで何度も扱ってきた「~の~」に当たります。 

それに対し、「de ①」つまり「de bonnes graines」の「de」に関しては、和訳する必要がなく、和訳しようとしても正確には難しいものです。 

なぜなら、この「de ①」とは、不定冠詞複数形の「des」が変化したものだからです。 

念のために不定冠詞を復習しておくと、単数男性形が「un」単数女性形が「une」、複数形は男女同形で「des」です。 

「des」が「de」に

ここからは文法上のルールなので、理由を聞かれてもお答えすることはできないのですが、形容詞が名詞の前に来る場合には、不定冠詞複数形の「des」が「de」になります。 

つまり複数形の語順は: 

  • 「des」+ 名詞 + 形容詞 
  • 「de」+ 形容詞 + 名詞 

ということです。 

  • ほとんどは「名詞 + 形容詞」という語順になるので「des」を使うのですが、「bon(よい/優れた/好ましい)」や「mauvais(悪い/粗悪な/いやな)」のように特殊なものは「形容詞 + 名詞」になるので「de」を使うのです。 

まとめ!

先ほどの「garçon(男の子)」「fille(女の子)」という単語を不定冠詞とともに使って、これまでの内容をまとめます。 

「名詞 + 形容詞」という語順になる、普通の形容詞の代表として、「すてきな」という意味の「ravissant(e)」を使います。 

「形容詞 + 名詞」になる「bon」の方は、複数形の不定冠詞が「des」ではなく「de」になります。 

「ravissant」: 名詞 + 形容詞

「ravissant」は女性形になると「ravissante」になり、発音も変わります。 

女性形のみ語尾に「s」をつけますが、単数形複数形での発音の差はありません。 

  • Un garçon ravissant 
  • Des garçons ravissants 
  • Une fille ravissante 
  • Des filles ravissantes 

「bon」: 形容詞 + 名詞

「bon」は女性形になると「bonne」になり、発音も変わりますが、複数形は語尾に「s」をつけるだけで、単数形との発音の差はありません。 

  • Un bon garçon 
  • De bons garçons 
  • Une bonne fille 
  • De bonnes filles 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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