王子さまの星
『星の王子さま』で有名になったと言われるバオバブの木。
これが自然に生えてくるということなので、王子さまの星は、小さいけれど変化に富んだ気候のようです。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Par conséquent ils mangent aussi les baobabs ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第5章の始めにあります。
第5章始めの会話部分にあるフレーズで、王子さまのセリフです。
「par conséquent ils mangent aussi les baobabs」
「par conséquent」は「したがって」「それゆえ」という意味です。
「ils」は3人称複数「彼ら」「それら」、「mangent」は人や動物が主語で、「(食べ物を)食べる」という意味の「manger」の活用形(現在形)です。
「aussi」は「~もまた」「~も」「やはり」、「les」は定冠詞複数形、「baobabs」は「バオバブ」を意味する男性名詞「baobab」の複数形です。
背景を見てみると
王子さまと砂漠で出会い、語り手の男性はいろいろな話しを聞いています。
そして出会って3日目には、王子さまの星の厄介者、バオバブの木について聞くことになりました。
そのきっかけは、男性に羊の絵を描いてもらった王子さまが、羊は小さな木を食べるのかどうかをたずねたことでした。
男性は食べると言ったので、王子さまは気を良くして続けた質問が、今回のフレーズです。
ここでの「ils」
ここでの「ils(彼ら/それら)」とは、背景からわかる通り、「les moutons(羊)」のことです。
「par conséquent(したがって)」は、男性が確認した「羊は小さな木を食べる」ということに基づいています。
「羊は小さな木を食べるのだから~」ということですね。
「conséquent」
「conséquent」は今回のフレーズのように「par conséquent(したがって)」という副詞句で使われることが多いです。
単独で使われる場合は、「(人の行動などが)首尾一貫した」「(推論などが)筋の通った」という意味になります。
「彼の言動は一致していない」と言うなら、「Ce n’est pas conséquent de ce qu’il dit et ce qu’il fait.」になります。
「バオバブの木」
『星の王子さま』というお話しの中では悪者扱いされているバオバブの木ですが、アフリカなどにある木で、ヨーロッパにはありません。
実際に生えている場所では悪者どころか、食べ物や薬としてだけでなく、布や壁を作る材料としてなど、幅広く利用されていたようです。
特に果実はビタミンCやカルシウムなどが豊富で、スーパーフードとして有名になったので、食べたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
バラとの共生
ところで、王子さまの星に自然に生えてくるのは、バオバブだけではありませんよね?
王子さまが思いを寄せるバラも、元はと言えば自然に生えてきたものでした。
でもバラは、ヨーロッパのあちこちで見かけます。
バオバブと同じ場所には育たないはずでは…と思ったのですが、種類によるのでしょうか?
バラと言えば、アフリカのケニアで大量に栽培しているのですが、どうも高度の高い涼しい場所、つまりヨーロッパに似た環境のようです。
王子さまの星は小さいながら、火山の影響なのか、バオバブの木が生えてしまうぐらい暖かい所もあるのかしら、などと考えてしまいます。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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