24 悲しいけど覚えよう C’est triste d’oublier un ami.

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便利な表現 

どんな立場の、どんな人にとっても悲しい、今回のフレーズ。 

ただし覚えておけば便利なのも確か。 

単語を入れ替えるだけで、いろいろな表現ができるからです。 

そして『星の王子さま』という素晴らしい作品を遺した、作者の価値観が伝わってきます。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「C’est triste d’oublier un ami.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の終わりの方にあります。 

第4章では語り手の男性がひとり語りで、トルコ人の天文学者のエピソードなどを通して、大人がいかに物事の本質を見ていないかを訴えています。 

その後、王子さまのお話しを書くに至った心情を告白しています。 

今回のフレーズは、第4章の最後にある、少々長い段落の始めの方にあります。 

「c’est」 

「c’est」は第3回で詳しく説明していて、何度か扱っているので、要点だけまとめます。 

  • 意味は「これ(それ・あれ)は~です」。 
  • 「ce」と「est」の2つの単語で構成され、「ce + est = c’est」ということ。 
  • 「ce」は「これ(それ・あれ)」を意味し、「est」は英語の be動詞に相当。 

「triste」 

「triste」は形容詞で、「悲しんでいる」「さびしい」「悲しそうな」といった意味です。 

「e」で終わる形容詞なので、男性形・女性形とも同じです。 

「d’oublier」 

「d’oublier」は、「de」の後に「oublier」をつけた形なのですが、「oublier」が母音で始まっているために、「de」の「e」が省略されてアポストロフィ「’」をつけ、「oublier」を続けています。 

発音は「d’ou」までを1音節で読みます。 

「de」 

「de」は前置詞で、いろいろな使い方がされます。 

ここでは、「de + 不定詞(動詞の原形)」という形で使われています。 

「oublier」 

「oublier」は、「忘れる」という意味の動詞です。 

人やモノ自体を「忘れる」だけでなく、モノを「持って来るのを忘れる」「持って行くのを忘れる」「置き忘れる」など、様々な「忘れる」を表します。 

「un」 

「un」については、すでに何度かお話ししているので、簡単にまとめます。 

  • 不定冠詞男性単数形 
  • 特定できないものを指すときに使われる 

「ami」 

「ami」は、男性名詞単数で、基本的には「友だち」「友人」という意味です。 

「ami」の女性形は語尾に「e」がついて「amie」になります。 

複数なら、それぞれの語尾に「s」がつき、「amis」「amies」ですが、発音は変わりません。 

言葉のかたまりを見てみると 

「悲しい」「さびしい」フレーズですが、覚えておくと使えます。 

「C’est + 形容詞 + de + 不定詞(動詞の原形)」という言い方は、よく使われるからです。 

「de」以降の部分が主語のような働きをします。 

今回のフレーズなら、「oublier un ami」が「triste」だと言っているのです。 

「友だちを忘れるのは悲しい」ということですね。 

主語はシンプルに 

このフレーズの主語は文法上、「c’est」の一部である「ce」です。 

フランス語では主語を長くするのを嫌うので、「C’est + 形容詞 + de + 不定詞(動詞の原形)」という形にすることで主語を短くし、本来の主語「oublier un ami」を文末に持って来ているのです。 

悲しいけれど、便利なフレーズです。 

そして誰からも長く愛される、『星の王子さま』という作品を遺した、作者の価値観がダイレクトに伝わってきますね。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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