身近だけど特殊!
今回のフレーズにある形容詞は、特殊な変化をしたり、語順が他とは違ったりする特殊なものです。
とても身近でよく使う形容詞なので、どのような場合に特殊な変化をするのかを、他の使用例とともにご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Quand vous leur parlez d’un nouvel ami, elles ne vous questionnent jamais sur l’essentiel.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の中ほどにあります。
第4章の3枚目の挿絵から3つ目のフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「quand vous leur parlez d’un nouvel ami」
「quand」は疑問詞として使われる時は「いつ」という意味ですが、ここでは「?」がないので、接続詞としての使い方です。
その場合は「~する時に」「~するたびに」という意味になります。
「vous」は「あなた」や「あなたたち」、「leur」は「彼ら」「彼女たち」や「それら」、「parlez」は「話す」という意味の「parler」の活用形(現在形)です。
「d’un」は前置詞の「de」の省略形「d’」と不定冠詞単数男性形の「un」が合わさったものです。
「nouvel」は「新しい」を意味する「nouveau」が変化したもの、「ami」は「友人」という意味の男性名詞です。
「elles ne vous questionnent jamais sur l’essentiel」
「elles」は「彼女たち」や「それら」、「questionnent」は「質問する」という意味の「questionner」の活用形(現在形)です。
「qustionner sur ~」で「~について質問する」という意味ですが、「決して~ない」という意味の「ne ~ jamais」で否定されています。
「l’essentiel」定冠詞の省略形「l’」と「最も重要な点」「本質的なこと」という意味の男性名詞「essentiel」が合わさったものです。
背景を見てみると
語り手の男性が王子さまの星だと考えるB612という小惑星は発見後、天文学会で正式に認知されるまでに時間がかかった、いわくつきの星でした。
語り手の男性はその詳細を長く語りつつ、それは大人たちのせいであり、彼らは数字を好むのだと言います。
そして今回のフレーズでは、大人たちが話題にしないものについて語られます。
このシリーズの前回(第214回)の直前にあるフレーズです。
代名詞が指す人とは?
詳細背景で触れた通り、今回のフレーズは前回(第214回)の直前にありますが、今回のフレーズの後半部分「elles ne vous questionnent jamais sur l’essentiel」は、第214回の「Elles ne vous disent jamais :」にそっくりです。
そちらをまだ読んでいないようでしたら、今回よりもシンプルなので、先にご覧になることをおススメします。
さて今回のフレーズには、代名詞が4回登場しています。
「Quand vous leur parlez d’un nouvel ami, elles ne vous questionnent jamais sur l’essentiel.」
(太字の部分が代名詞です)
このフレーズは背景にあるように、語り手の男性による説明部分なので、「vous(あなた/あなたたち)」とは、読者を指します。
そして「elles(彼女たち/それら)」や「leur(彼ら/彼女たち/それら)」は、「les grandes personnes(大人たち)」のことです。
女性形になっているのは、「les grandes personnes(大人たち)」のうちの名詞部分「personnes」が女性名詞だからです。
「elles」と「leur」
まず「elles」と「leur」ですが、「elles」は主語になる形で、「leur」は間接目的です。
「elles」は女性形なので「彼女たち」と説明されるのですが、ここでは「大人たち」の意味なので女性のグループと捉えると不自然になるため、「彼ら」を意味します。
それを踏まえつつ、「leur」が間接目的であることを考えると、「彼らに」という意味であることが分かります。
2つの「vous」
こうしてみると語順から、1つ目の「vous」は主語、2つ目は目的語であることが分かります。
後半部分の「elles ne vous questionnent jamais sur l’essentiel」は、「彼ら(大人たち)は、あなたに決して本質的なことについて質問しない」という意味なので、この中にある「vous」も間接目的だということが分かりますね。
特殊な形容詞
ところで、今回のフレーズにある「nouvel」は「新しい」を意味する「nouveau」が変化したもの、とご紹介しました。
この形容詞がついているのは「ami(友人)」ですが、単数の男性名詞なので、本来なら変化はしないはずです。
でもこの「nouveau」は少々特殊で、普通なら形容詞は名詞の後に来るのがお決まりなのに、「nouveau」は前に来る場合があるのです。
そして次に来る名詞が母音から始まる単語の時には、今回のフレーズのように「nouvel」になります。
発音は女性形の「nouvelle」や「nouvelles」と同じです。
表にまとめますね。

意外と多い?
単数男性形のカッコ部分が今回のフレーズに登場している「nouvel」です。
あくまでも「形容詞 + 名詞」の語順で、母音から始まる男性名詞という条件がすべてそろった場合にのみ「nouvel」になります。
「すべての条件を満たす必要がある」ということは、それほど多くないのではと思われるかもしれませんが、けっこう耳にします。
他にも例を挙げておきますね。
- un nouvel appartement – 新しいアパート
- un nouvel emploi – 新しい仕事
- un nouvel élève – 新しい生徒
身近な単語ばかりなので、新学期などには意外と聞くことになります。
発音が女性形と同じなので、混同しないようにしてくださいね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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