覚えやすくて便利!
今回のフレーズでは、現在と過去のことが同時に語られています。
しかもわかりやすい形になっているので、そのまま覚えるのに最適です。
今の段階で覚えおくべきポイントもご紹介しますね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Je demande pardon aux enfants d’avoir dédié ce livre à une grande personne.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第0章とも言うべき、献辞部分(「À LÉON WERTH」と書いてあるところ)の1つ目のフレーズ、つまり『星の王子さま』に最初に登場するフレーズです。
「je demande pardon aux enfants」
「je」は、「わたし」を意味する人称代名詞1人称単数です。
「demande」は動詞「demander」の1人称単数現在の活用形、「pardon」は男性名詞で、「許し」という意味です。
「demander pardon + à(人)+ de +(動詞の原形)」の形で、「~することに関して人に許しを請う」という意味になります。
「aux」は「à」と定冠詞複数の「les」が合わさったもの、「enfants」は「子ども」を意味する男性名詞「enfant」の複数形です。
つまりこの部分では、「je(わたし=作者)」は「les enfants(子どもたち)」に対して何かをすることに関して「demander pardon(許しを請う)」ということが語られています。
「d’avoir dédié ce livre」
この部分では、許してもらいたいと思っていることの内容が語られています。
「d’avoir」は、「de」と動詞「avoir」の原形が合わさったものです。
「dédié」は「献じる」「捧げる」という意味の動詞「dédier」の過去分詞です。
「dédier ~ à(人)」で、「人に~を捧げる」という意味です。
「ce」は「この(その・あの)」、「livre」は「本」を意味する男性名詞です。
「à une grande personne」
この部分では、捧げものをする相手について語られています。
前置詞の「à」は「(人)に」に当たり、「une」は不定冠詞女性形単数です。
「grande personne」は「大人」という意味です。
現在と過去のこと
さて冒頭でもお伝えした通り、今回のフレーズには、現在のことを語る部分と過去のことを語る部分が混在しています。
まず現在の部分は、もちろん動詞の現在形が含まれている、「je demande pardon aux enfants(私=作者は、子どもたちに許しを請う)」というところです。
そして過去の部分は「d’avoir dédié ce livre」 です。
ここでは「この本=『星の王子さま』を捧げる」ことについて言っているのですが、ポイントは「avoir dédié」という、「avoir +(動詞の過去分詞)」という形。
これが過去を表す形です。
フレーズの全体像は?
このシリーズでは意図的に、普段はあまり和訳をしていないのですが、今回は複数の時制をご紹介するので、少しでも混乱を避けたいと思います。
ですので、ここでフレーズ全体を見直しますね。
まず、「je(わたし=作者)」は「les enfants(子どもたち)」に「demander pardon(許しを請う)」ということが現在形で語られています。
許してもらいたい内容はというと、「à une grande personne(ある大人に)」「d’avoir dédié ce livre(この本=『星の王子さま』を捧げた)」ことです。
繰り返しになりますが、ここでは「avoir dédié」で「avoir +(動詞の過去分詞)」の形になっているので、「捧げた」と過去を表す表現になっています。
要するに作者は、「『星の王子さま』を捧げた」という過去の行動について、子どもたちに謝罪をしています。
覚えておくべきポイント
ところで、今回は一気に「現在」と「過去」の2つを扱いましたが、実は覚えるポイントが2倍になるわけではありません。
なぜなら、動詞の現在形は主語ごとに活用が変わるので、1つの動詞に対して基本的に6種類の活用形が存在するのですが、今回ご紹介した過去を表す表現には、こうした変化はないのです。
例外はあるものの、基本的に「avoir +(動詞の過去分詞)」という形だけなので、とってもラクです。
なお動詞の活用については、いくつかの動詞を扱った後に、まとめ記事にしていきますので、お楽しみに!
今の段階では、なんとなく見る程度でOKなので、現在形の変化を観察しておくことと、「avoir +(動詞の過去分詞)」で過去になるということが分かっているだけで大丈夫です。
今回のフレーズにある「avoir」はこの動詞の原形なので、見つけやすくて覚えやすいですよね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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