特に入門期に便利!
今回のフレーズには、単独でしかもそのまま使える2種類のフレーズが含まれています。
特にフランス語学習入門期に、ネイティブと話している時の、お助けフレーズや、あいづちとして使えるので、本当に便利です。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「C’est-à-dire… pas tout à fait.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第27章の始めにあります。
第27章の2つ目の段落の2番目にあるフレーズで、語り手の男性が思っていることです。
「c’est-à-dire」
「c’est-à-dire」は、「すなわち」「つまり」という意味です。
「pas tout à fait」
「pas」は、否定語です。
「tout à fait」は、「まったく」「完全に」という意味です。
背景を見てみると
王子さまとの出会いと別れから6年後。
語り手の男性にも生活があるでしょうし、別れた直後と同じように悲しんでいるわけではないようです。
実際、「悲しみは少し和らいだ」と言っています。
この部分のフレーズは前回(第140回)でご紹介していますが、それでも、その直後に今回のフレーズで否定しています。
王子さま・語り手の男性とも、おそらくはお互いの人生を変えるような出会いだったのですから、いくら時間が解決してくれているとは言っても、そう簡単に乗り越えられる悲しみではないのでしょうね。
便利な使い方:「c’est-à-dire」
ところで、「c’est-à-dire」は、「すなわち」「つまり」という意味だとご紹介しましたが、単独でも、何かを伴なっても使える、かなりの万能選手です。
特にフランス語学習入門期には、いろいろな意味で便利なので、ぜひ覚えて使いこなしてください。
「c’est-à-dire」の使い方①
入門期にネイティブと話している時のあるあるが、相手がいかにも「わからないな~」という表情になってしまうこと。
こちらの発音に問題があるうえ、文法的にもおかしなことを言ってしまって、相手はチンプンカンプンな状態かもしれません。
そんな時にすかさず、「c’est-à-dire ~」を使って、言い直すことができます。
日本語でも、相手にうまく通じていない時に「だからね…」と説明し直すことがありますよね?
これと似たようなイメージです。
「c’est-à-dire ~」の便利なところは、「~」の部分に何でも入れられるところ。
文も入りますが、名詞や動詞だけでもOKなので、文法的なことをあまり考えずに使えるのです。
動詞は、原形をそのまま入れても大丈夫なので、活用を気にする必要すらありません。
「c’est-à-dire」の使い方②
そして入門期に「c’est-à-dire」が便利なのは、単独でも使えるということです。
相手が何を言っているのかがわからない時に、「ごめんなさい、わからない」のように謝る必要はなく、「C’est-à-dire ?」と言えばいいのです。
この使い方だと、「と言うと?」ぐらいの意味になります。
便利な使い方:「tout à fait」
「tout à fait」は、「まったく」「完全に」という意味だとご紹介しましたが、これも単独で使うことができます。
「Tout à fait !」とすることで、「まったくその通り!」という意味の、強い共感のあいづちになるのです。
「tout」 は「すべて」、「fait」 は「事実」という意味なので、文字通り完ぺきに認めているフレーズです。
発音しやすく、覚えやすいフレーズなので、とても便利ではありますが、相手の言うことを100パーセント認めることにもなるので、その点だけは注意して使ってくださいね!
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント