共感も、発見も!
フランス語にもことわざは存在していて、日常生活の中で耳にすることがあります。
すると、「環境も文化も日本とはまったく違うのに、同じことを言うのね!」と思うこともあれば、「これはフランスらしい言い方ね!」と感じることも。
今回はその2つ目、「En mai, fais ce qu’il te plaît.」をご紹介します。
「En mai, fais ce qu’il te plaît.」
「en」は前置詞、「 mai」は「5月」という意味の男性名詞です。
「en mai」で「5月に」「5月には」などの意味になります。
「fais」は「~を作る」「~をする」という意味の「faire」の命令形です。
「ce」は指示代名詞、「qu’il」は関係代名詞「que」の省略形「qu’」と「il」が合わさったものです。
ここでの「il」自体には意味がなく、フレーズの構造上で必要とされる主語の働きをしています。
「te」は2人称代名詞単数の目的格、「plaît」は「~の気に入る」という意味の「plaire」の活用形(現在形)です。
フレーズの意味
つまり、「en mai」で「5月には」、「fais」が「~をする」の命令形なので「~をしなさい」、「ce qu’il te plaît」で「君の気に入ること」なので、全体としては「5月には君のしたいようにしなさい」という意味になります。
でも、「5月には君のしたいようにしなさい」と言われるゆえんは何でしょうか?
5月になったら使わない?
実は今回のフレーズ「En mai, fais ce qu’il te plaît.」は、2025年4月30日配信のことわざ①でご紹介した、「En avril, ne te découvre pas d’un fil.(4月中は少しも薄着をするな)」の続きなのです。
5月になって「好き勝手にしてもいいこと」とは、「薄着」ということです。
「4月は寒の戻りもあるから気を付けるべきだけど、5月はすっかり暖かいのでもう大丈夫」ということなのですが、実際にこの言葉を言うのは、4月中です。
要するに、「5月になったら好きにしていいから、今のうち(4月中)は暖かくしておきなさい」と言っているわけです。
馬の目の前にニンジンをぶら下げるこのやり方、結構気に入っています!
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント