それぞれに別の名前が…
フランス語の動物の名前は、本当にややこしいです。
基本になるのはオスの名前ですが、その動物のメスが女性形になるだけのこともあれば、まったく別の名前になることがあります。
そして同じ動物の子どもにも、さらに別の名前が存在します。
つまり1種類の動物なのに、3つの別の名前をすべて覚えなければならないのがフランス語なのです。
そこで、この負担を少しでも軽くしようと考え、できるだけイメージしやすく、会話の中で使われることが多いフレーズで、基本形のオス・メス・子どもの名前を、動物ごとにご紹介します。
その第6回目は、ガチョウです。
フランス語のガチョウ
まず、ガチョウの3種類の名前をご紹介します。
- un jars(オス)
- une oie(メス/総称)
- un oison(子ども)
ガチョウは大半の動物とは違い、例外的に基本形がメスの「oie」です。
そしてメス「oie」のうちの「oi」の部分は変わらず、子どもはよくある形である「-on」を足すだけですが、発音のために「s」がついて「oison」になります。
他の動物などと同様に、子どもはオス・メスにかかわらず、男性名詞になります。
オスは「jars」という、全く違う形です。
いろいろなガチョウ
ガチョウが登場する例文を挙げておきます。
- Il est bête comme une oie.
(彼はガチョウのように愚かだ)
- Quelle oie !
(バカなやつ!)
- Comme un oison, il imite tous les gestes de son maître.
(ガチョウのヒナのように、彼は師匠のすべての動作をまねする)
- Le jars dort à côté des oies.
(オスのガチョウはメスのガチョウのそばで眠っている)
などがあります。
ガチョウの持つイメージ
例文1の「Il est bête comme une oie.(彼はガチョウのように愚かだ)」という言い方は、ガチョウにはうるさくて、少し間抜けなイメージがあるからです。
例文2の「Quelle oie !(バカなやつ!)」は、文字通り相手をバカにした言い方で俗語なので、こちらから使うのは控えるべき言い方です。
(外国人に「バカ」と言われるほど腹の立つこともないですからね!)
例文3の「comme un oison(ガチョウのヒナのように)」は、「oison(ガチョウのヒナ)」には純粋で従順なイメージがあるからです。
ここでは、師匠の動作を何でもマネする人のことを言っていますが、文脈によっては、成長途中で未熟な状態を表したり、素直に親に従う様子を表したりもします。
なお、「jars(オスのガチョウ)」が話題に上ることは極端に少ないので、決まり文句もまず聞きません。
メスが有利な理由
前述通り、ガチョウは大半の動物とは違い、例外的に基本形がメスの「oie」です。
その理由は、メスは卵を産むだけでなく、食用肉としても味がいいのに比べて、オスは繁殖用以外にあまり使い道がないからと言われます。
フランス語では、ニワトリのオス(オンドリ)が誇りの象徴とされるのに比べると、ガチョウのオスは何ともかわいそうな扱いですが、完全に人間側の都合です。
もっとも、言語自体が人間によるものですし、そもそも「かわいそうな扱い」と感じているのは人間だけで、ガチョウ自身は何にも感じていないのかもしれません。
ただし、鳴き声を聞いたことがある方ならご存じだと思いますが、ガチョウがうるさいと思われているのは、仕方のないことかもしれませんね!

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