それぞれに別の名前が…
フランス語の動物の名前は、本当にややこしいです。
基本になるのはオスの名前ですが、その動物のメスが女性形になるだけのこともあれば、まったく別の名前になることがあります。
そして同じ動物の子どもにも、さらに別の名前が存在します。
つまり1種類の動物なのに、3つの別の名前をすべて覚えなければならないのがフランス語なのです。
そこで、この負担を少しでも軽くしようと考え、できるだけイメージしやすく、会話の中で使われることが多いフレーズで、基本形のオス・メス・子どもの名前を、動物ごとにご紹介します。
その第5回目は、カモです。
フランス語のカモ
まず、カモの3種類の名前をご紹介します。
- un canard(オス/総称)
- une cane(メス)
- un caneton(子ども)
カモは基本形のオス「canard」のうちの「can」の部分は変わらず、メスは語尾だけが変化します。
子どもはよくある形である「-on」を足すだけですが、発音のために「t」がついて「caneton」に。
ほぼ規則的な変化なので、覚えやすい形です。
子どもはオス・メスにかかわらず、男性名詞になります。
いろいろなカモ
カモが登場する例文を挙げておきます。
- Il fait un froid de canard aujourd’hui.
(今日はものすごく寒い)
- Le canard et la cane nagent.
(オスのカモとメスのカモが泳ぐ)
- Le caneton suit la cane.
(カモのヒナがメスのカモについて行く)
などがあります。
カモはいないが…
例文1の「Il fait un froid de canard aujourd’hui.(今日はものすごく寒い)」という言い方は、「un froid」となっているところがポイントです。
通常「寒い」と言うなら、「Il fait froid aujourd’hui.(今日は寒い)」になるので、「froid(寒い)」は形容詞であり、冠詞がつきません。
「un froid de canard」は決まり文句で「froid(寒さ)」が名詞になって冠詞がつきます。
「カモの寒さ」という言い方をすることで、「ものすごく寒い」という強調表現になっています。
和訳すると、カモは消えてしまいますね。
例文2の「Le canard et la cane nagent.(オスのカモとメスのカモが泳ぐ)」は、つがいでいることの多いカモの様子を思い浮かべてみてください。
例文3の「Le caneton suit la cane.(カモのヒナがメスのカモについて行く)」も、春に子育てをしているカモのお母さんにヒナがついていく様子を想像すれば、覚えやすいと思います。
天候と動物の関係
例文1で使われている「un froid de canard(ものすごい寒さ)」という表現は、冬になると日常会話で本当によく登場します。
なぜ「カモの寒さ」が強調表現になるのかは、はっきりしたことは言えませんが、カモ猟は真冬に行われるので、ハンターたちは厳しい寒さの中でカモが現れるのを待っているからとも言われます。
ただし天気や天候を強調するために動物を組み合わせる例は、まだ他にもたくさんあります。
中には、どう考えても登場する動物と結びつかない例もあるので、「カモの寒さ」も理由なく使われているだけかもしれません。
カモたちだって寒いのは嫌いかもしれないのに、結び付けられて迷惑しているかもしれませんね!

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