それぞれに別の名前が…
フランス語の動物の名前は、本当にややこしいです。
基本になるのはオスの名前ですが、その動物のメスが女性形になるだけのこともあれば、まったく別の名前になることがあります。
そして同じ動物の子どもにも、さらに別の名前が存在します。
つまり1種類の動物なのに、3つの別の名前をすべて覚えなければならないのがフランス語なのです。
そこで、この負担を少しでも軽くしようと考え、できるだけイメージしやすく、会話の中で使われることが多いフレーズで、基本形のオス・メス・子どもの名前を、動物ごとにご紹介します。
その第3回目は、イヌです。
フランス語のイヌ
まず、イヌの3種類の名前をご紹介します。
- un chien(オス/総称)
- une chienne(メス)
- un chiot(子ども)
イヌは基本形のオス「chien」からメスは語尾だけが変化します。
ただし子どもは「chien」から「chiot」へ。
子どもはオス・メスにかかわらず、男性名詞になります。
どの動物にも共通していることですが、子どもの名前はやはり、何となくかわいらしいので、それを意識しておくと覚えやすくなります。
いろいろなイヌ
イヌが登場する例文を挙げておきます。
- Elle a du chien.
(彼女は魅力がある)
- Quel temps de chien !
(なんて天気なんだ!)
- Je suis malade comme un chien.
(ひどく具合が悪い)
- C’est une vie de chien.
(生活が大変だ)
などがあります。
イヌはいないが…
例文1の「avoir du chien(魅力がある・色気がある)」という言い方は、「du chien」となっているところがポイントで、人に対して使う表現です。
イヌを飼っているなら「avoir un chien」などになるので、イヌは直接関係しません。
例文2の「un temps de chien(ひどい天気)」という言い方も、日常会話で本当によく耳にします。
晴れ続きのプロヴァンス地方などでは、毎日お天気であることが当たり前のようになっていて、ちょっと雨が降るとこのフレーズを繰り返す人がけっこういます。
中には、見知らぬ人を相手に会う人ごとに言って回ったり、独り言でブツブツ「Quel temps de chien ! Quel temps de chien !…」と繰り返していたり…。
例文3の「malade comme un chien(ひどく具合が悪い・ひどい病気)」も、強調語としてごく自然に使われます。
例文4の「une vie de chien(つらい人生・ひどい生活)」も、よく聞く表現です。
どうもイヌは「ひどい〇〇」のシンボルのようになっている側面があります。
中には例文1の「avoir du chien(魅力がある・色気がある)」という言い方のようなポジティブな表現もありますが、使われる頻度が高いのはネガティブなものが多いような気がします。
今回の例文にも、フランス語のフレーズには「chien(イヌ)」がいるけれど、和訳するとどこにもイヌはいません。
「chat(ネコ)」と同様に、それだけイヌが身近な動物だということでしょうね。
メス不在の理由
ところで、こうした言い回しにメスが登場することはありません。
というのも、フランス語ではメスのイヌが、人を侮辱するための言葉として使われることがあるからです。
それも、かなり強烈なインパクトのある言葉なので、注意が必要です。
イヌに関しても、オス「chien」が変わらず、メスは語尾だけが変化、子どもは「chien」から「chiot」になるので、そこだけを抑えておけばOKです。

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