形状によるまとめ
フランス語では、名詞の後ろに「-ette」とつけて「小さな〜」などの意味を加えることがあります。
そのため、元は「小さな〇〇」という意味だったのですが、それが新たなモノの名前になったり、種類を表すようになったりしています。
語源を知ることで覚えやすくなり、ラクに単語を増やせるようになります。
第3回目は、「lunette」とその複数形「lunettes」を扱います。
語源は「小さな月」
「lunette」は、「月」を意味する「lune」に「小さな〜」や「かわいい~」などの意味を加える「-ette」をつけたものです。
なので「lunette」の元の意味は「小さな月」でした。
そしてこの「小さな月」というのは「小さな丸いモノ」を連想させるので、いろいろなモノの名前に使われるようになります。
ここまでは、モノの形が名前になることが多い「フランス語あるある」の範囲です。
複数形「lunettes」が多用される理由
ただし現在のフランス語では、単数形の「lunette」よりもその複数形「lunettes」の方が、圧倒的に多く使われています。
複数形の「lunettes」は、ほとんどの場合「眼鏡」という意味になるからです。
眼鏡が「lunettes」になったのは、もちろん「小さな丸いモノ」が2つ並んだ形だから。
眼鏡というモノができた当時、そのどれもが丸いレンズだったため、ぴったりの呼び名になったというわけです。
眼鏡が高級品だった当時とは違い、多くの人が使うようになった現在、眼鏡のレンズは丸いモノだけではなくなりましたが、相変わらず複数形の「lunettes」で呼ばれています。
現在使われる単数形「lunette」
なお、単数形の「lunette」は、今でも「(のぞき窓や飾り窓のような)小さな丸窓」「半円形の窓」などを意味します。
石造りの建物が多く、地震が少ないフランスには何世紀も前の建物が珍しくないため、「lunette」と呼ばれる丸い窓がたくさんあるのです。
こうした小さな丸い窓は、のぞき窓・屋根につけた明り取り用の窓・飾り窓、もしくは船などの窓です。
そして「lunette」は「望遠鏡」という意味でも使われます。
これももちろん、丸いレンズから来ています。
ちなみに、ごく身近なところでは、トイレの便座も「 lunette」と呼ばれます。
使用例
複数形「lunettes」、単数形「lunette」の使用例を挙げておきます。
- Il met ses lunettes.
(彼は眼鏡をかける)
- Je cherche mes lunettes de soleil.
(サングラスを探している)
- Il regarde le ciel avec une lunette.
(彼は望遠鏡で空を見ている)
- La lune se reflète dans la lunette du vieux château.
(月が古い城の丸窓に映っている)
最後のフレーズは、「lune(月)」と「lunette(丸窓)」が両方使われていますね。
文学作品の一節でもおかしくないような、美しい風景です。
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