意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第50回目は、「エスプリ」です。
日本語の「エスプリ」
日本語の「エスプリ」はフランス語由来の外来語です。
「エスプリ」は、「このデザイン、エスプリが効いている」「エスプリの効いたジョーク」などのように使われます。
洗練された知的な雰囲気・気の利いた感覚・おしゃれで知的な感じというニュアンスで使われます。
- エスプリ「洗練された知的な雰囲気」「気の利いた感覚」「おしゃれで知的な感じ」
フランス語の「esprit」
フランス語の「esprit」も知性や感性を表すことがありますが、日本語よりもずっと広い意味で使われる言葉です。
「精神・心」「知性・思考」「センス・機知(ウィット)」「雰囲気・気風」「魂(のようなニュアンス)」など、文脈によって様々に変わります。
言ってみれば 「人間の内面の働き全般」を表す言葉であり、ポジティブ・ネガティブ両方の意味で使われます。
フランス語の「esprit」の使い方をまとめると、
- esprit①「精神・心」
- esprit②「知性・思考」
- esprit③「センス・機知(ウィット)」
- esprit④「雰囲気・気風」
- esprit⑤「魂(のようなニュアンス)」
ということになります。
いろいろな「esprit」
「esprit」の例文を挙げておきます。
- Il a l’esprit calme.
(彼は落ち着いた精神の持ち主だ)
→ esprit①「精神・心」
- Elle a un esprit brillant.
(彼女は非常に頭がいい)
→ esprit②「知性・思考」
- L’esprit de l’entreprise est important.
(会社の気風(企業精神)は重要だ)
→ esprit④「雰囲気・気風」
- Il a perdu l’esprit.
(彼は正気を失った)
→ esprit⑤「魂(のようなニュアンス)」
などがあります。
意味が狭まった外来語の典型
【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語というタイトルでの配信も、今回が50回目になります。
日本語の「エスプリ」は、フランス語の「esprit」の持つ広範囲な意味がかなり狭められ、かなりロマンチックな意味に変化したもので、このタイトルの代表例のようなものです。
では、なぜ「エスプリ」が「気の利いた知的センス」という意味に特化されたのかというと、それはフランスが持つ、洗練・知的・芸術的といった文化的なイメージと結びついたためです。
なので「フランス語由来の外来語あるある」とでも言いましょうか、フランス語で「esprit」と言っているのを聞くと、ついついおしゃれで知的な感じをイメージしそうになります。
でもそれは、企業精神について言っているのかもしれませんし、下手をすると「正気を失った」という文脈かもしれません。やはり外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあるということを意識していきたいですね!

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