意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第5回目は、「ローブ」です。
日本語の「ローブ」
「ローブ」とだけ聞いても、あまりピンと来ないかもしれませんね。
綱引きなどの「綱」を意味する「ロープ」ではなく、「ローブ」です。
でもお風呂上がりなどに羽織る「バスローブ」なら、わかりますよね?
そもそも「バスローブ」の元になった単語は、は英語の「bath」とフランス語の「robe」が合わさってできています。
日本語で「ローブ」だけを使うことはほぼありませんが、しいて言うならバスローブ・ガウン系の印象が強く、どうしても室内着に限定されてしまいます。
- バスローブ「湯上りに羽織る室内着」
フランス語の「robe」
それに対し、もとになったフランス語「robe」に「室内着」という意味はありません。
そのうえ、「バスローブ」に当たるフランス語は「peignoir」なので、まったく違いますね。
では「robe」とは何かというと、一般的には「ワンピース」のことです。
単に「robe(ワンピース)」だけでも使われますし、日本語の「ドレス」に当たる使い方なら、「robe de soirée(イブニングドレス)」という場合も。
「ワンピース」としての使い方でも、「robe d’été(夏用ワンピース)」と言ったりもします。
そしてさらに特殊な使い方として、裁判官や弁護士などが法廷で着用する「法服」や、大学などの式典用の「ガウン」も「robe」です。
ただしこの場合には、何らかの説明が入ることが多いです。
「robe de juge(裁判官の法服)」「robe d’avocat(弁護士の法服)」「robe universitaire(大学の式典用のガウン)」などですね。
フランス語の「robe」の使い方をまとめると、
- robe①「ワンピース」
- robe②「ドレス」
- robe③(法廷用の)「法服」
- robe④(式典用の)「ガウン」
ということになります。
いろいろな「robe」
ここで「robe」の例文を挙げておきます。
- J’ai acheté une nouvelle robe.
(新しいワンピースを買った)
→ robe①「ワンピース」
- Elle porte une belle robe bleue pour la fête.
(彼女はパーティーに行くためにきれいな青いドレスを着る)
→ robe②「ドレス」
- La robe du juge est noire avec une écharpe rouge.
(裁判官の法服は黒で、赤い襟章が付いている)
→ robe③(法廷用の)「法服」
などがあります。
こうした例文でわかる通り、「robe」には室内着の意味はまったくありません。
「上下ひと続きの服」という点だけが、すべての意味の共通している単語です。
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